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国交省 空き家問題や所有者不明土地に対応する措置を要望

2018/09/18

 国土交通省がまとめた平成31年度税制改正要望を見ると、大きな社会問題となっている「空き家」や「所有者不明土地」などに対応するため、税制上の措置を求めている。

 税制上の空き家対策としては、平成28年度税制改正で特例措置が設けられている。これは、相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋(昭和56年5月31日以前に建築された家屋。区分所有建築物を除く)を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)または取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋または土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除するもの。

 平成31年度要望では、この特例措置を4年間(平成32年1月1日~平成35年12月31日)延長することを求めたほか、被相続人が老人ホーム等に入居していた場合を対象に加えること。また、譲渡後に家屋の除却または耐震リフォームを行った場合を対象に加えることを求めた。

 一方、所有者不明土地については、土地収用法に基づく収用等の場合と同様の税制上の特例措置を要望した。例えば、土地収用法の特例により事業地が収用された場合に、所有者の長期(または短期)譲渡所得に係る課税について税率軽減や重課の適用除外を求めた。また、土地収用法の特例により事業地が収用された場合に、所有者の譲渡所得から5000万円を控除すること(所得税・法人税)。土地収用法の特例により事業地が収用された後の特別勘定を設けて一定期間内に代替資産を取得する見込みである場合、譲渡益に相当する金額を損金に算入すること(法人税)などを求めている。

 なお、地域福利増進事業に係る特例措置の創設として、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づき、都道府県知事による使用権の裁定があった特定所有者不明土地を利用して行う地域福利増進事業について、その事業のために事業区域内の土地等を譲渡した場合の土地等の譲渡所得に係る1500万円特別控除を創設することを盛り込んだ。

 そのほかの要望としては、消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策、土地の所有権移転登記等に係る特例措置の延長、車体課税の見直しなどがある。

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