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国税不服審判所への直接審査請求が前年度より4倍増加

2017/06/28

 国税庁・国税不服審判所はこのほど、平成28年度における再調査および審査請求、訴訟の概要を公表した。

 平成26年6月に行政不服審査法の抜本的な見直しが行われるとともに、国税通則法の改正により、国税不服申立制度についても改正が行われ、「異議申立て」は「再調査の請求」に名称変更され、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てから適用されている。また、審査請求は、再調査の請求(改正前:異議申立て)を経ずに直接行うことが可能となった(再調査の請求を行った場合でも、再調査の請求についての決定(再調査決定)後の処分になお不服がある場合に行うことができる)。

 こうした改正により、平成28年度における再調査の請求件数は1674件で、前年度の3191件と比べ47.5%減少となった。再調査の請求の処理件数は1805件で、内訳は「取下げ等」275件、「却下」208件、「棄却」1199件のほか、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は123件(一部認容100件、全部認容23件)で、その割合は処理件数全体の6.8%(一部認容5.5%、全部認容1.3%)、前年度と比べ1.6ポイントの減少となった。

 一方、国税不服審判所への審査請求の件数をみると、平成28年度は2488件で、前年度より18.6%増加となった。特に、直接審査請求の件数は1473件と前年度368件から4倍も増えており、再調査の請求(改正前:異議申立て)を経ずに審査請求できるようになったことの影響がうかがえる。

 審査請求の処理件数は1959件で、前年度比84.8%。このうち納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は241件(一部認容192件、全部認容49件)で、その割合は12.3%(一部認容9.8%、全部認容2.5%)、前年度より4.3ポイントの増加となった。

 なお、成28年度における訴訟の発生件数は230件で、前年度と比べて0.5%の減少。訴訟の終結件数は245件で、「取下げ等」25件、「却下」20件、「棄却」189件。国側が一部敗訴したもの及び全部敗訴したものは11件(一部敗訴5件、全部敗訴6件)で、その割合は4.5%(一部敗訴2.0%、全部敗訴2.5%)と、前年度比3.9ポイント減少している。

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