国税庁 教育資金の一括贈与非課税制度のあらましを公表
2019/05/22
国税庁はこのほど、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」を公表した。
あらましでは、令和元年度税制改正による同制度の主な改正事項がまとめられている。それによると、まず、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長されたほか、受贈者の所得要件の追加として、信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が1000万円を超える場合は、その信託等により取得した信託受益権等については非課税制度の適用を受けることができないこととされた(平成31年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用)。
また、教育資金の範囲の見直しとして、学校等以外の者に支払われる金銭で受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払われるもののうち、教育に関する役務提供の対価、スポーツ・文化芸術に関する活動等に係る指導の対価、これらの役務提供または指導に係る物品の購入費および施設の利用料が除外された。ただし、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用は除外されない(令和元年7月1日以後に支払われる教育資金について適用)。
そのほか、信託等をした日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合において、受贈者が贈与者から死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等について非課税制度の適用を受けたことがあるときは、その死亡の日における管理残額を受贈者が贈与者から相続または遺贈により取得したものとみなすこととされた。
ただし、その死亡の日において、受贈者が①23歳未満である場合、②学校等に在学している場合、③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合は除かれる。②または③については、その旨を明らかにする書類を贈与者が死亡した旨の届出と併せて金融機関等の営業所等に提出した場合に限られる(平成31年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用)。
あらましでは、贈与者の死亡日おける管理残額の計算方法等のイメージが示されているので確認しておきたい。
なお、教育資金口座に係る契約の終了事由について、受贈者が30歳に達した場合においても、その達した日において②または③のいずれかに該当するときは教育資金口座に係る契約は終了しないものとし、その達した日の翌日以後については、その年において②もしくは③のいずれかに該当する期間がなかった場合におけるその年12月31日または受贈者が40歳に達する日のいずれか早い日に教育資金口座に係る契約が終了するものとされた(令和元年7月1日から適用)。
あらましでは、契約の終了事由ごとに終了の日を分かりやすくまとめた表が掲載されている。
「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」はこちら。