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日商 31年度税制改正の意見で「経営力向上計画の簡素化」求める

2018/10/03

 日本商工会議所はこのほど、「平成31年度税制改正に関する意見」を公表した。

 意見書では、第4次産業革命や働き方改革など大きな社会変化が起きつつある中で、多様性・柔軟性・機動性といった特性を有する中小企業が新たなビジネスモデルにチャレンジすることが重要であり、その環境整備のために「中小企業の活力を最大限引き出す税制の整備が必要」と主張。

 具体的には、中小企業の成長を後押しする観点からの設備投資減税(中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制)の延長・拡充や、研究開発税制の延長・拡充、中小法人の軽減税率の延長、消費税率引上げに向けた経済環境の整備および円滑な価格転嫁の実現などを求めている。

 中小企業経営強化税制については、適用を受けるためには各企業の事業年度内に、国から「経営力向上計画」の認定を受ける必要がある。しかし、中小企業の場合、決算の結果を踏まえて設備投資を判断するケースが多いことから、計画申請等が間に合わない可能性があるため、計画の簡素化を図るとともに、計画記載例(書き方のポイント)の充実など、事業者の利便性の向上を要望した。

 また、消費税率引上げや軽減税率導入の課題については、「消費税は価格に転嫁されるものであることを消費者や事業者へ強力な広報の展開とあわせて、消費税転嫁対策特別措置法に基づく実効性の高い転嫁対策を推進すべき」、「軽減税率制度の導入はゼロベースで見直すとともに、インボイス制度は廃止を含め、慎重に検討すべき」といった意見をまとめている。

 事業承継の円滑化に向けた税制措置では、まず、平成30年度税制改正において抜本的に拡充された事業承継税制(特例措置)について、「中小企業経営者から高く評価されている」としつつ、「一方、多くの中小企業において、特例措置の活用も含め、具体的な事業承継方法の検討が行われる中で、申告手続き・各種届出の簡素化や、特例措置の恒久化を求める声が多く寄せられている。特例措置の活用状況や中小企業の事業承継の進捗等を踏まえ、制度の改善、特例措置の恒久化等の検討が必要」としている。

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