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国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&Aを改訂

2022/12/01

 国税庁はこのほど、消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)を改訂した。

 このQ&Aは、適格請求書等保存方式について分かりやすく解説したもので、納税者から寄せられた質問や疑問点などを踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂が行われている。今回追加されたものをいくつか見てみる。

<値増金に係る適格請求書の交付>
 当社の行う建設工事等について、その建設工事等の引渡しの日において当該建設工事等の請負代金に係る請求書を交付しています。一方、建設工事等の請負契約に伴い収受する値増
金については、相手方との協議によりその収入すべきことが確定することから、当初交付した請求書とは別に値増金に係る請求書を交付しています。この場合、それぞれ交付している
請求書を適格請求書とすることで問題ないですか。

【答】
 建設工事等の請負契約に伴い収受する値増金は、当該建設工事等の対価の一部を構成するものですが、その金額の確定時期は区々であり、必ずしも建設工事等の引渡しの時までに確定するものではありません。そのため、相手方との協議によりその収入すべきことが確定する値増金については、その収入すべき金額が確定した日の属する課税期間の課税標準額に算入することとしています(基通9-1-7)。
 
 このように、ご質問の値増金は、相手方との協議によりその収入すべきことが確定した日の属する課税期間の課税標準額に算入することとしているため、当該値増金が建設工事等の対価の一部を構成するものであったとしても、当初交付している適格請求書とは別に当該値増金に係る適格請求書を交付することとなります。

 この場合における適格請求書の次の記載事項は、当該値増金に係る金額を基礎として記載することとなります。
 ① 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
 ② 税率ごとに区分した消費税額等
(参考) 協同組合等において農産物の買取販売に係る販売代金の価格修正として組合員が受け取る事業分量配当金についても同様です。

<物品切手等を値引販売した場合の適格請求書の記載事項>

 当社で主催する演劇の入場券について、一定の販売方法においては、券面金額から一定金額を値引きして販売しています。例えば、12,000 円の入場券について、1,000 円引きの 11,000円で販売しています。このような場合において、当該入場券と引換えに行う演劇に係る適格請求書(又は適格簡易請求書)の記載事項はどのようになりますか。

【答】

 適格請求書(又は適格簡易請求書)に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額(又は税込価額)を税率ごとに区分して合計した金額」は、売手において課税売上げとして計上する金額を基礎として記載することとなります。

 この点、貴社は、当該入場券を11,000円で販売しているとのことですので、当該入場券と引換えに行う演劇(役務の提供)の対価(課税売上げとして計上する金額)は、11,000円となります。

したがって、当該入場券と引換えに行う演劇について適格請求書(又は適格簡易請求書)を交付する場合、当該適格請求書等に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額(又は税込価額)を税率ごとに区分して合計した金額」は、券面金額としている12,000円ではなく、実際に受領した金額11,000円を基礎とした金額となります。


 (参考) 当該入場券のような物品切手等で適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されているものが、引換給付の際に適格請求書発行事業者により回収される場合、当該物品切手等により役務の提供等を受ける買手は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができます(新消令49①一ロ)。このような物品切手等を値引販売する場合も、当該物品切手等に記載すべき「課税資産の譲渡等の税抜価額(又は税込価額)を税率ごとに区分して合計した金額」は値引後の金額を基礎とした金額となります。

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