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国税庁 馬券の払戻金に係る課税について見解を示す

2018/02/20

 国税庁はこのほど、「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」の見解を明らかにした。

 競馬の馬券の払戻金に係る課税については、それが一時所得と雑所得のいずれに該当するのか、また、外れ馬券の購入費用が必要経費として控除できるかどうかを巡り、国税当局と納税者との間で争いが起きていた。

 平成28年9月29日の東京高裁判決では、本件の競馬の馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当しないとされ(最高裁平成29年12月20日上告棄却)、一方、平成29年12月15日の最高裁判決では、本件の競馬の馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当すると判断した。

 一時所得と雑所得に分かれた判決を受けて、国税庁は、競馬の馬券の払戻金の所得区分については、馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して区分されると指摘。

 具体的には、馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、または予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることで、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を選別して購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合は「雑所得」に該当するとの考えを示した。

 なお、国税庁では、「上記に該当しない、『いわゆる一般の競馬愛好家の方』については、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できません」と注意を呼びかけた。

 今後、国税庁はパブリックコメントを行った上で、所得税基本通達34-1を改正し、改正後の所得税基本通達については同庁のホームページ上で公表する。

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