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30年度査察概要 一審判決122件すべて有罪で7人に実刑判決

2019/07/04

 国税庁はさきごろ公表した「平成30年度における査察の概要」によると、査察の処理件数は182件で、そのうち121件を告発した。平成30 年度における重点事案と位置付けた消費税受還付事案については16 件を告発。これは過去5年間で最も多い告発件数だ。そのほかの重点事案として無申告ほ脱事案を18件、 国際事案を20件告発した。

 免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した不正受還付のケースとしては、A社は、高額な腕時計の仕入れを装い架空仕入(課税取引)を計上するとともに、その商品を輸出物品販売場の許可を受けた免税店で外国人旅行者に販売したように装い架空売上(免税取引)を計上する方法により、多額の消費税還付金額を記載した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けようとした。

 平成30年度の税額の総額は139億9900万円で、そのうち告発分は111億7600万円だった。

 平成30年度中に一審判決が言い渡された件数は122件で、すべてに有罪判決が出され、そのうち実刑判決が7人に出された。実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独に係るものが懲役4年6月、ほかの犯罪と併合されたものが懲役7年だった。

 告発事案を税目別にみると、「法人税」が55件、脱税額は44億7000万円。「所得税」は14件で、脱税額は12億6800万円。「消費税」は41件で、脱税額は38億9400万円。「相続税」は1件で、脱税額は2億4100万円。「源泉所得税」は10件で、脱税額は13億300万円となった。告発件数の多かった業種のトップは28件の「建設業」。次いで、「不動産業」が14件、「人材派遣」が5件、「クラブ・バー」が4件となっている。

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