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在宅勤務の費用負担FAQ 在宅勤務者への食券の支給を追加

2021/05/13

 国税庁はこのほど、「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を更新した。今回は、在宅勤務者に対する食券の支給として2件の項目が追加されている。

 追加された最初の質疑事例は、「当社では、在宅勤務で業務を行う従業員の昼食の補助として、一定の条件を付した食券を従業員に支給したいと考えていますが、この食券の支給に関して、従業員の給与として課税する必要はありますか」という問いで、次の①~⑤を条件としている。

①毎月7560円分の食券を従業員に交付するが、その際、従業員はその半額の3780円を当社に支払う。
②食券の利用は、従業員が在宅勤務を行う日において、当社が契約した特定の飲食店での飲食又は飲食料品の購入(持帰り)でのみ利用可能(勤務日以外の利用や、アルコール類、飲食料品以外のものへの利用は不可)とする。
③食券の利用は、当社の従業員本人の食事代のみについて利用可能であり、従業員の親族等に係る食事代への利用は不可とする。また、食券を他人へ譲渡することを禁止する。
④食券の利用は、1回2500 円までとする。また、実際に要した食事代金が、食券の額面に満たない場合であっても、釣銭を受け取ることはできない。
⑤毎月交付された食券の未使用分については、翌月以降に繰り越して使用することができる。また、食券の利用可能期間は交付日から1年とする。

 その答えとして、まず、所得税基本通達 36-38 の2を引用し、「企業が従業員に食事の支給をする場合に、その従業員から実際に徴収している対価の額がその食事の価額の50%相当額以上であり、かつ、企業の負担額(食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額)が月額3500円(消費税および地方消費税の額を除く)を超えないときは、その従業員が食事の支給により受ける経済的利益はないものと取り扱うこととしている」と指摘。

 質問の場合、従業員からその食券の額面金額7560円の50%相当額を徴収しており、消費税等の額を除いた企業の負担額は月額3500円を超えていないため、上記の要件を満たしているとした。また、②から⑤までの条件が満たされれば、その食券の支給は食事そのものを支給した場合と同視することができるものと考えられる。このため、質問の食券の支給については、従業員に対する給与として課税する必要はないとしている。

 追加された2つ目の質疑事例は、「当社では、在宅勤務を導入することとし、従業員に対する昼食の補助として、従業員が在宅勤務を行う日には、上記の②から⑤までの条件を満たす食券をその従業員に支給することとし、その従業員が出勤する日には、契約業者から購入する弁当をその従業員に支給することとしました。また、従業員に対して食券および弁当を支給した場合には、従業員は、それぞれの価額の半額を当社に支払うこととします」というケースで、「例えば、ある月において、一の従業員に対して、次のとおり食券および弁当を支給した場合、従業員に対する給与として課税する必要はありますか」という問い。

食券(在宅勤務日)・・食券・弁当の価額(5000円)、従業員の支払額(2500円)
弁当(出勤日)・・・・食券・弁当の価額(2500円) 従業員の支払額(1250円)

 答えとしては、「従業員からは、食券の額面金額および弁当の価額の50%相当額以上を徴収しており、また、消費税等の額を除いた企業の負担額は月額 3,500 円を超えていないため、上記の要件を満たしている。

 また、上記②から⑤までの条件が満たされれば、その食券の支給は食事そのものを支給した場合と同視することができるものと考えられ、質問の食券および弁当の支給については、従業員に対する給与として課税する必要はないとした。

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