地方税における電子化の推進に関する検討会がとりまとめを公表
2023/12/11
地方税共同機構はこのほど、令和5年度(2023年度)地方税における電子化の推進に関する検討会とりまとめを公表した。
同検討会は、学識経験者、地方団体、日本経済団体連合会、全国銀行協会、日本商工会議所、日本税理士会連合会、総務省および地方税共同機構で構成されており、地方税務手続のさらなるデジタル化を図るための議論が行われている。
令和5年度のとりまとめによると、納税通知書(課税明細書を含む)や付随する納付書のデジタル化を促進するため、納税通知書等の案件特定方法としてeL-QRを活用することなどを前提として、ほぼすべての団体でeL-QRに対応している固定資産税、都市計画税、自動車税種別割、軽自動車税種別割を対象税目として、eLTAXおよびマイナポータルを活用して、納税者などからの申請に応じて、全国統一的に電子的に送付する仕組みとすべきとした。
納税証明書のデジタル化については、納税通知書等の電子的送付の実装後、早期に実現していくことが必要であり、また、納税証明書や課税証明書などの各種証明書について行政機関間での情報連携の推進についても検討することが適当とした。
納付手続のデジタル化については、固定資産税等の4税目に限らず、確定税額を納税者に告知可能なものについては、原則すべてeL-QRを活用することを促していくことが必要とした。さらに、地方税以外の地方公金について、地方税と関連性が高いことやeLTAXという専門的技術の有効活用が可能であることも踏まえ、地方税の納付にとどまらず、地方団体の公金の納付にもeLTAXを活用できるように、所要の措置を講じるべきであるとした。
今後の地方税務手続のデジタル化については、申告・申請、通知、納付の各手続のシームレスな連携の仕組みを構築し、地方税務手続の一体的なデジタル化を図ることが重要であることを示した。また、利用者が行う個別手続の一連の流れを俯瞰した上で、利用者目線に立ったeLTAX等の機能改善を図ることを通じて、いつでも、どこからでも、地方税の申告・納税等ができる環境整備を目指していくことが適当としており、例として、スマートフォンへの対応、利用時間の拡大、認証機能の見直しなどが挙げられている。