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小規模宅地の特例 貸付事業用宅地等の適用が減少

2021/11/15

 「相続税の小規模宅地の評価減の特例」の最新の適用状況(令和元年分)から、貸付事業用宅地等を対象として適用された件数等が前年に比べて減少していることが分かった。

 小規模宅地等の評価減の特例とは、被相続人等の商売の敷地(特定事業用宅地等)や自宅の敷地(特定居住用宅地等)、貸家の敷地(貸付事業用宅地等)を親族が相続した場合に、一定要件のもと、その土地の課税価額の一定割合が減額される税制上の特典だ。

 「貸付事業用宅地等」として特例の適用がある場合には、課税価格が200㎡までについて50%減額される。情報公開により取得した資料によると、令和元年分の適用件数は、2万6708件(税額が発生したもの及び税額が発生しなかったものを含む)となり前年より約2.4%減少。適用者の相続人の数も4万1461人で前年比約2.5%減少した。減額の金額も約2612億円で、前年比約2%の減少となっている。

 小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等に対する適用については、平成30年4月1日以後に取得した貸付事業用宅地で、相続開始前3年以内に貸付事業を開始した宅地である場合、原則として特例の適用対象から外される規制、いわゆる「3年シバリ」が施行されている。

 平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続等により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業用の用に供された宅地等については経過措置が設けられていたが、言い換えれば、平成30年4月1日以降に貸付けられた宅地等は「3年シバリ」をクリアしないと本特例を適用することができないわけだ。

 今回の適用件数の減少は、こうした「3年シバリ」も少なからず影響しているのかもしれない。

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