文科省 ゴルフ場利用税廃止や東京五輪開催に向けた措置を要望
2018/09/20
文部科学省の平成31年度税制改正要望が明らかになった。
まず、金融庁との共同要望として「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充を求めている。同措置は、高齢者世代の保有する資産の若い世代への移転を促進することで、教育費の確保に苦心する子育て世代を支援し、経済活性化に寄与することを目的としたもの。平成25 年4 月1 日から平成31 年3 月31 日までの時限措置とされているが、時限措置である本制度の恒久化を行うとともに、受贈者に係る年齢制限の緩和や、利便性向上の観点から領収書の提出・保存方法の簡素化を行うことを求めた。
スポーツ関係としては、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた税制上の所要の措置を求めた。これは、同大会の円滑な準備および運営を支援するため、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)関係者をはじめ、来日する大会関係者である非居住者および外国法人を対象として、大会関連活動に係る所得を所得税・法人税の課税所得としないなど、税制上の所要の措置を講ずるといったものだ。
また、ゴルフ場利用税の廃止を要望。文科省では、平成元年4月の消費税創設時に廃止された娯楽施設利用税のうち、スポーツの中でゴルフ場の利用にのみ課税が存続し、その税収が自治体の一般財源となっている点や、消費税との二重課税となっている点を指摘。さらに、2020年東京大会の正式競技である国民的スポーツであることも踏まえて廃止を訴えた。ただし、ゴルフ場利用税は地方公共団体の貴重な税収であることを鑑み、その配慮方策を検討するとした。
その他制度改正に伴うものとして、内閣府・厚生労働省と共同要望として「子ども・子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置」を求めた。「経済財政運営と改革の基本方針(平成30 年6月15 日閣議決定)」において、3歳から5歳まで(0歳から2歳については住民税非課税世帯が対象)の子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化することとされている。現行上、幼稚園、保育所、認定こども園を利用する子どもの保護者に支給される子どものための教育・保育給付はすべて非課税となっており、上記の幼児教育の無償化を進めるに当たり法改正を行う場合、併せて税制上の所要の措置(非課税措置および差押禁止措置等)を講ずることを求めている。