日商 中小企業の「第三者承継」を後押しする税制創設を要望
2019/09/27
日本商工会議所はこのほど、「令和2年度税制改正に関する意見」を取りまとめた。
意見書では、基本的な考え方として、第4次産業革命の進展など、わが国の産業構造が急激に変化する中で、イノベーションの担い手として多様性・柔軟性・機動性を有する中小企業の活力強化が重要であり、その環境整備のため、「中小企業の付加価値創出に向けた取り組みを強力に後押しする税制」を整備すべきと主張。
具体的には、後継者不在の中小企業の「第三者承継」を後押しするため、株式や事業用資産を譲渡する際の譲渡益課税の軽減措置など、事業を譲り渡す者に対するインセンティブ措置の創設を要望。また、「経営力向上計画」に基づく再編・統合に係る登録免許税・不動産取得税の軽減措置の延長、有償取得営業権の一括償却措置等の創設などを求めた。
そのほか、事業承継税制の改善、事業会社によるベンチャー投資に対するインセンティブ措置の創設、エンジェル税制の拡充、中小企業の交際費課税特例の延長、少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度の延長・拡充のほか、消費税率引上げにともなう価格転嫁対策の推進および需要平準化対策の着実な実施などを要望している。