消費税転嫁対策特別措置法 ガイドライン改正で意見募集
2019/02/27
公正取引委員会は、平成31年10月の消費税率引上げに向けて、消費税転嫁対策特別措置法上の考え方の一層の明確化を図るため、「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」(消費税転嫁対策特別措置法ガイドライン)を改正する。そこで、同改正(案)に対する意見募集を行っている。
改正案では、消費税転嫁対策特別措置法上の考え方を明確化する観点から違反事例を追加している。主なポイントとしては、まず、「消費税率の引上げに伴う価格設定について(ガイドライン)」の策定を踏まえた考え方の明確化だ。「10月1日以降〇%値下げ」や「10⽉1⽇以降〇%ポイント付与」などと表示したセールの実施に当たって、取引先に対し、その原資を負担させる場合を違反事例として追加した(「減額」「買いたたき」「商品購入、役務利用または利益提供の要請」)。
次に、軽減税率制度の導入にともなう考え方の明確化だ。標準税率が適用される商品の対価について、平成31年10⽉1⽇以後、軽減税率が適用された場合の対価まで減じる場合(「減額」)や平成31年10⽉1⽇前の対価を据え置く場合(「買いたたき」)について違反事例として追加。また、転嫁カルテルとして認められない行為の具体例として,「軽減税率の対象品目の対価に標準税率引上げ分を上乗せする旨の決定」を追加した。
最後に、過去の事案の蓄積を踏まえた考え方の明確化だ。公正取引委員会による勧告・指導の中で繰り返し見受けられる違反行為、事業者が問題ないと認識しやすい違反行為として、消費税率引上げ前に税込価格で対価を定めている場合(いわゆる内税取引の場合)に、①そのことを理由として、または②取引先からの対価引上げの要請や価格交渉の申出がないことを理由として、対価を据え置く場合(「買いたたき」)を追加した。
意見の提出期限は、平成31年3月4日18時必着。詳しくはこちら。