空き家所有者情報の外部提供に関するガイドラインを拡充
2018/06/29
国土交通省はこのほど、「空き家所有者情報の外部提供に関するガイドライン」の内容を大幅に拡充した。
今回公表されたガイドラインは、市町村が空き家所有者情報を民間事業者等に提供するための法制的な整理に加えて、空き家の特定等に活用可能な情報を含む運用の仕組み、市町村の先進的な取組みを追記するなど、市町村における取組をさらに後押しするものとなっている。
主なポイントとしては、まず法制的整理として、所有者本人の同意が得られれば、課税情報を含む空き家所有者情報の民間事業者等への提供が可能だとした。
次に、運用の仕組みの拡充では、空き家の所在地・所有者の特定に活用できる情報として、固定資産税課税情報に加え、不動産登記情報、水道閉栓情報、自治会等からの情報、死亡届などを例示している。
また、市町村における先進的な取組事例の内容を拡充。例えば、空き家所有者情報を集約したデータベースの構築(厚木市)、流通可能性を評価したカルテの作成(伊賀市)、情報提供に同意した所有者のうち希望者に売却価格や解体費用等の見積もりを提供(太田市)、民間事業者が申請した空き家を市町村が所有者調査し、情報提供の同意を得る仕組みを試行(青梅市)、リノベーションによるまちづくりと連携し、重点地域を設定して情報提供の同意を得る仕組みを構築(和歌山市)などがある。
今後、国土交通省では市町村と民間事業者等の連携による空き家の流通、利活用のさらなる促進に向けて、市町村の先進的な取組みが全国の市町村に横展開するよう、同ガイドラインの周知を図っていく方針だ。