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経済産業省 平成29年度税制改正要望を明らかに

2016/09/01

 経済産業省はこのほど、平成29年度税制改正要望を明らかにした。

<研究開発税制>
 第4次産業革命を強力に推進するため、「試験研究」の定義中に「サービス開発」を追加する。そのほか、増加型の廃止にともない、総額型の控除率について試験研究費の増減に準じてメリハリがつく仕組みなどの導入。上乗せ措置のうち高水準型については延長。オープンイノベーション型の運用改善を行うことを要望。 

<ベンチャー投資促進税制>
 ベンチャー企業への投資を活性化するための、事業会社によるベンチャーファンドを通じたベンチャー投資を支援する準備金制度について、地方におけるベンチャー投資を拡大するため、地方ファンドの規模要件の見直し等を行った上で延長する。具体的には、適用期限の2年間延長(平成30年度末まで)。組合の主たる事務所が東京都以外にあるものは、ファンド規模要件を概ね10億円以上とし、目標内部収益率を10%以上とするなど、要件を緩和する。

<組織再編成税制>
 我が国ではスピンオフは、課税繰延措置が受けられないことが重大な障害となって、現実的にはほぼ実施不可能となっている。そこで、特定事業を切り出して独立会社とするスピンオフの円滑な実施を可能とする等の税制措置を要望。

<高度外国人材等の保有する国外財産に係る相続税等の見直し>
 日本で就労する外国人が国内で死亡した場合などに、国外財産に対して本国で課される以上の税負担が生じることが懸念されている。そこで、高度外国人材等が日本で働きやすい環境を構築するため、高度外国人材等の保有する国外財産に係る相続税・贈与税の見直しを要望。 

<所得拡大促進税制>
 中堅・中小企業の賃上げを強力に後押しし、「成長と分配の好循環」を地域の中堅・中小企業にもたらすため、これら企業に対する所得拡大促進税制の支援措置を強化する。具体的には、税額控除を賃上げ増加額の20%に引き上げ、中堅企業は法人税額の20%、中小企業は40%を上限とする。大企業については現行制度の継続としている。

 

<取引相場のない株式の評価方式>
 中小企業等の実力を適切に反映した評価となるような見直しを求める。

<事業承継税制>
 今後の事業承継ニーズの増大に対応するため、雇用要件見直しや生前贈与へのインセンティブ強化等のための見直しを要望。円滑な事業承継に向けて早期に取り組む中小企業に対する税制支援を強化する。

<役員給与等に係る税制の整備>
 役員給与における多様な業績連動報酬等の導入を一層促進するため、譲渡制限付株式の対象となる株式の範囲を自社や完全親会社の株式以外にも拡大するなどの所要の措置を講ずる。

<中小企業投資促進税制>
 対象設備の追加(器具備品・建物附属設備の追加)などの拡充を図った上で2年間延長(平成30年度末まで)。 

<中小企業等経営強化法に係る固定資産税の特例>
 サービス産業の生産性向上を促進するため、中小企業投資促進税制の拡充と合わせ、現在対象となっている機械装置に加え、高効率の冷蔵陳列棚や省エネ空調等の器具備品・建物附属設備を対象設備に追加。

<商業・サービス業・農林水産業活性化税制>
 3年間延長(平成31年度末まで)。

<中小企業者等の法人税率の特例>
 適用期限の2年間延長(平成30年度末まで)。

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