総務省 各省庁の税制改正要望を点検 分析・説明が著しく不十分18件
2020/11/27
総務省はこのほど、「令和2年度 租税特別措置等に係る政策評価の点検結果」を公表した。
これは、租税特別措置等の「達成目標」、「適用数」、「減収額」、「効果」の4項目に関する分析・説明を点検するもので、今回は各行政機関の令和3年度税制改正要望に係る政策評価のうち42件の内容を点検し、その結果を各行政機関および税制当局に通知・公表した。
42件の内訳は、内閣府7項目、金融庁3項目、総務省2項目、厚生労働省5項目、農林水産省3項目、経済産業省13項目、国土交通省9項目。
点検プロセスにおける各行政機関の補足説明によって、「適用数」および「減収額」については分析・説明の内容に改善が見られたが、「達成目標」の設定および「効果」の分析・説明は十分とは言い難い状況にあった。また、分析・説明がされていない項目が残る著しく不十分な評価書も18件あった。点検の結果、分析・説明の内容が不十分であると指摘した評価書に係る租税特別措置等については、今後の税制改正作業において更なる検証が必要としている。
例えば、金融庁が要望している「中堅・中小企業向け融資促進支援のための時限措置」(法人税、法人住民税、法人事業税)や厚生労働省の「地域における医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度の延長等」(法人税・法人事業税)、経済産業省の「特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(商業・サービス業・農林水産業活性化税制)の延長」(法人税・法人住民税・法人事業税)については、「当該措置により達成すべき目標や効果が具体的・客観的に説明されておらず、租税特別措置等の有効性が明らかにされていない」、という結果が示されている。