税務・経営ニュースTaxation Business News

電話などによる簡易な接触で相続税の申告漏れ非違件数は5796件

2025/12/24

 国税庁はこのほど、令和6事務年度における相続税の調査状況について公表した

 それによると、令和6事務年度における相続税の実地調査の件数は9512(令和5事務年度8556件)、このうち申告漏れなどの非違があった件数は7826件(同7200件)で、非違割合は82.3%(同84.2%)だった。

 申告漏れ課税価格は2942億円(同2745億円)で、申告漏れ相続財産の金額の内訳は、「現金・預貯金等」837億円(同825億円)が最も多く、「有価証券」393億円(同291億円)、「土地」353億円(同333億円)と続いている。

 追徴税額(加算税109億円を含む)は824億円(同735億円)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は3208万円(同3209万円)となった。実地調査1件当たりの追徴税額は867万円(同859万円)。なお、重加算税の賦課件数は1065件(同971件)、賦課割合は13.6%(同13.5%)だった。

 国税当局では、相続税の実地調査のほか、簡易な接触(文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤りなどがある申告を是正するなどの接触)を実施している。令和6事務年度は2万1969件(同1万8781件)に簡易な接触を行い、このうち申告漏れなどの非違および回答などがあったのは5796件(同5079件)。申告漏れ課税価格は1123億円(同954億円)、追徴税額(加算税6億円含む)は138億円(同122億円)となり、いずれも簡易な接触の事績を集計し始めた平成28事務年度以降で最高となった。

 令和6事務年度の調査に係る主な取組みとして、無申告事案を把握するために資料情報の収集・活用などの取組みを実施した結果、実地調査件数は650件(同690件)、申告漏れなどの非違件数は562件(同613件)、申告漏れ課税価格は749億円(同752億円)、追徴税額は142億円(同123億円)で、公表を始めた平成21事務年度以降で最高となった。実地調査1件当たりの追徴税額は2187万円(同1787万円)となっている。

 国税当局では、相続税の補完税である贈与税についても積極的に資料情報を収集し、財産移転の把握に努めており、令和6事務年度における実地調査件数は2778件(同2847件)。このうち申告漏れなどの非違件数は2582億円(同2630件)、申告漏れ課税価格は275億円(同264億円)、追徴税額は123億円(同108億円)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は991万円(同926万円)、追徴税額は443万円(同380万円)だった。

相続開始前に引き出した多額の現⾦を相続⼈宅で保管し、申告から除外した事例

 被相続⼈名義の預⾦⼝座から、相続開始前に多額の現⾦が引き出されていたことから、その使途を解明するため、調査に着⼿した。被相続⼈宅において臨宅調査を実施し、相続⼈らに引き出した現⾦の使途について聴取したところ、「寄付しており、残っていない」と回答する⼀⽅で、寄付先については答えないなど、曖昧な回答を繰り返した。そこで、被相続⼈宅に続き、相続⼈宅の現況調査を実施したところ、相続⼈宅の⾦庫内から多額の現⾦を発⾒した。

 発⾒した現⾦について説明を求めたところ、相続⼈らは、被相続⼈の⽣前、被相続⼈と共に現⾦を引き出した上、相続⼈の⾃宅⾦庫内で保管しており、申告が必要であることを認識しながら、相続⼈の⾃宅で保管しておけば税務署に容易に把握されることはないだろうという考えの下、税理⼠にもその存在を隠ぺいし、当該現⾦を除外して申告したことを認めた。

増差課税価格:2億5千万円  追徴税額:約1億2千万円(重加算税有)

令和6事務年度における相続税の調査等の状況はこちら

 

PAGE TOP