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20年公示地価 地方の全用途・商業地28年ぶり上昇

2020/03/30

 国土交通省はさきごろ、全国の土地の価格を示す公示地価(2020年1月1日時点)を発表した。

 1970年の調査開始以来、今回で51回目を迎えた2020年の地価公示は、全国2万6千地点(うち福島第1原発事故の影響で7地点は調査を休止)を対象に実施され、住宅地・商業地・工業地の全用途の全国平均が1.4%のプラスとなり、5年連続で上昇した。用途別もすべて上昇しており、住宅地は0.8%プラスで3年連続、商業地は3.1%プラスで5年連続、工業地は1.8%プラスで4年連続の上昇となった。

 国土交通省では、住宅地の地価上昇の背景として、「雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続や住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあり、交通利便性や住環境の優れた地域を中心に需要が堅調。全国的に住宅地の地価の回復が進展し、全国の平均変動率の上昇幅も2年連続で拡大している」と分析。

 商業地については、「景気回復、良好な資金調達環境の下、企業による人材確保等を目的として、オフィスビルに対する需要が堅調であり、空室率の低下・賃料の上昇傾向が継続している。また、外国人観光客をはじめとする国内外からの訪問客の増加により収益性の向上が見込まれる地域、交通インフラの整備や再開発の進展に伴い利便性や繁華性の向上が見られる地域などでは、店舗、ホテルなどの需要が堅調」といった点を挙げている。

 三大都市圏の地価も上昇基調を強めており、全用途平均・住宅地・商業地・工業地のいずれについても各圏域で上昇が継続している。特に、東京圏と大阪圏では上昇基調が強い。

東京圏…全用途(2.3%プラス)、住宅地(1.4%プラス)、商業地(5.2%プラス)、工業地(3.0%プラス)
大阪圏…全用途(1.8%プラス)、住宅地(0.4%プラス)、商業地(6.9%プラス)、工業地(2.8%プラス)
名古屋圏…全用途(1.9%プラス)、住宅地(1.1%プラス)、商業地(4.1%プラス)、工業地(0.7%プラス)

 地方圏のうち、地方の主要四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)ではすべての用途で上昇が継続し、上昇基調を強めている。注目すべき点は、地方の主要4市を除く地方圏でも、全用途が0.1%、商業地が0.3%といずれも28年ぶりに上昇。住宅地は平成8年から続いた下落が横ばいとなり、工業地も2年連続で上昇しており、全国的に地価の回復傾向が広がった。

最高価格は銀座「山野楽器」

 全国最高価格地点は、昨年と同様、東京・銀座4丁目の山野楽器銀座本店で1平方メートル当たり5770万円(変動率0.9%)。

 全国の変動率の上位を見ると、住宅地では北海道のスキーリゾート地域の倶知安町が1位、2位にランクイン。倶知安町は商業地でも変動率1位だ。商業地については、近年、大阪圏の上昇率の勢いが増しているが、今回も変動率トップ10において3位(44.9%)、6位(41.3%)、8位(38.2%)に入っている。

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