2025年1~5月の「税金滞納」倒産71件 10年間で2番目の高水準
2025/06/11
2024年1~5月の「税金(社会保険料含む)滞納」を一因とする倒産の累計が71件(前年同期比13.4%減)だったことが東京商工リサーチの調べで分かった。前年同期比で減少したが、2016年以降の10年間では2番目の高水準を維持している。※同調査は、2025年1~5月の全国企業倒産(負債1000万円以上)の「コンプライナス違反」倒産のうち、「税金滞納」関連をまとめて集計・分析したもの。
負債総額は、1-5月累計は273億5600万円(前年同期比35.5%減)だった。1-5月累計は、負債10億円以上が6件(同200.0%増)と3倍に増えたが、同100億円以上がゼロ(前年同期1件)で、4年ぶりに前年同期を下回った。
過剰債務を抱えた企業は収益改善が進まず、新たな資金調達が難しい状況に陥っている。物価高、人件費などコスト負担が増すなか、運転資金の確保から納税(納付)を後回しにする企業の行き詰まりが目立つ。
1-5月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産の特徴は、資本金1千万円未満が41件(前年同期比10.8%増)で約6割(構成比57.7%)と、小・零細規模の企業が大半を占めている。物価や人件費、金利引き上げなどのコスト増が資金繰りに大きな負担となっていることを示している。
東京商工リサーチでは、「企業の安定した収益確保に自助努力は当然だが、コロナ禍の負債を解消できない企業は多く、金融機関などには滞納企業の照会が依然として絶えない。こうしたレピュテーションリスクを招きかねない徴収方法の見直しと納税への話し合いなど、改善点を探る努力も必要だろう」と分析している。
東京商工リサーチ「2024年1-5月「税金滞納」倒産」の調査結果はこちら。
