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遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の検査費・手術費について文書回答

2017/11/15

 大阪国税局はこのほど、「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と診断された者が受けた乳房切除手術費用または両側卵巣卵管切除手術費用に対する医療費控除の適用について」の文書回答を公表した。

 照会者の病院では、HBOCが疑われる患者に対し、遺伝カウンセリングと遺伝子検査を行い、HBOCと確定診断された患者で希望する人には、乳房切除手術または両側卵巣卵管切除手術を行っている。これらは保険診療の対象ではないが、この病院では保険診療の際の診療報酬の額に準じた額を自費診療として患者に請求しており、これらの費用が医療費控除の対象となるかどうかという事前照会を行っていた。

 事前照会の内容を見ると、HBOCとは、BRCA1、BRCA2という遺伝子に生まれつきの病的変異があり、細胞に含まれる遺伝子が傷ついた時にこれを正常に修復する機能が失われているため、乳がんまたは卵巣がんを発症しやすい遺伝性疾患のこと。

 HBOCと診断された患者は、がんの発症リスクが乳がんの場合で6から12倍、卵巣がんの場合は8から60倍高いとされているが、がんを発症していない乳房切除手術または両側卵巣卵管切除手術を受けることで、乳がん等を発症するリスクをほぼ確実に減少させることができるという。

 そのため、「これらの手術はHBOCの治療の一環として行われるものと認められることから、その費用について医師による診療または治療の対価として、医療費控除の対象として差し支えないと考える」、「遺伝子検査等は、その患者がHBOCであるか否かを診断するために行われるものであるため、その費用は原則としていずれも医療費控除の対象とはならないが、遺伝子検査等の結果、HBOCであることが判明し、手術が行われる場合には、いずれも医療費控除の対象として差し支えないと考える」として照会を行っていたが、大阪国税局はこのほど、その事実関係を前提とする限り「差し支えない」との文書回答を公表した。

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