令和6年基準地価 全国の全用途平均1.4%上昇 地方圏「その他」は32年ぶり回復
2024/10/23
国土交通省はこのほど、令和6年7月1日時点における都道府県地価(基準地価)を発表した。
それによると、全国の全用途平均は前年から1.4%上昇(前年:1.0%上昇)。これで3年連続のプラスとなった。新型コロナの影響で地価の上昇基調に急ブレーキがかかり、令和2年からマイナスに転じていたが、前々年の調査から回復の兆しがあり、今年は上昇率がさらに拡大したことで、地価の回復傾向が鮮明になった。
用途別では、商業地が前年から2.4%上昇(同1.5%上昇)、住宅地は0.9%上昇(同:0.7%上昇)した。
三大都市圏を見ると、全用途平均・商業地は、東京圏で12年連続、大阪圏で3年連続、名古屋圏で4年連続の上昇となり、それぞれ上昇率も拡大した。住宅地は、東京圏と名古屋圏で4年連続、大阪圏は3年連続で上昇し、こちらも上昇率が拡大している。
一方、地方圏では、全用途・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇した。地方四市( 札幌市、仙台市、広島市、福岡市)を見ると、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも12年連続で地価が上昇したが、上昇幅は縮小した。
地方四市を除く地方圏の全用途平均は、平成4年以来32年ぶりにプラスに転じており、三大都市圏、地方圏ともに上昇基調が強まった。
国土交通省では、全国の地価動向として、住宅地は「低金利環境の継続などにより、引き続き住宅需要は堅調であり、地価上昇が継続しており、特に、大都市圏の中心部などにおける地価上昇傾向が強まっている。人気の高いリゾート地では、別荘やコンドミニアムに加え、移住者用住居などの需要が増大し、引き続き高い上昇となった地点が見られるほか、鉄道新路線等の開業による交通利便性の向上などを受け、上昇幅が拡大した地点が見られる」と分析。
商業地については、「主要都市では、店舗・ホテルなどの需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向によって収益性が向上していることなどから、地価上昇が継続している。外国人を含めた観光客が回復した観光地では、高い上昇となった地点が見られる。再開発事業等が進展している地域では、利便性や賑わいの向上への期待感などから、地価上昇が継続している」などの特徴を示した。
なお、全国の最高価格地点は、商業地が東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」で1平方メートル当たり4210万円。前年から5.0%上昇した。大阪圏の商業地最高価格地点は、大阪市北区大深町の「グランフロント大阪南館」で1平方メートル当たり2390万円。名古屋圏は名古屋市中村区名駅3丁目の「大名古屋ビルヂング」の1960万円だった。
前年と比べて商業地の上昇率が最も高い都道府県は東京都(8.4%)、県庁所在都市は福岡市(13.2%)。住宅地の上昇率トップの都道府県は沖縄県(5.8%)、県庁所在都市は福岡市(9.5%)だった。