Vol.43 アップダウンの走り方
2018/07/07
今日のテーマは『アップダウンの走り方』。今はマラソン大会が少なくなる時期であり、ロードレースは標高の高い場所を中心に開催されていますね。私自身が出場予定の「富士登山競走」も7月に開催されます。そうした大会のコースにつきものなのが「アップダウン」。ぜひご覧いただき、参考にしていただければと思います。
<上り坂>
上り坂で平地と同じように姿勢をまっすぐして走ると、傾斜の関係で重心が後ろにかかり、のけぞったような姿勢になってしまいがちです。
効率的な走り方に必要なことは体幹(お腹)を使って走ること。重心はまっすぐか、むしろ前にあるくらいの意識で走るべきです。のけぞってしまうと脚だけで走る状態となり、脚に疲労が溜まり、パフォーマンスは上がりません。
上り坂では、身体を少し前傾姿勢にして、いつもより腕振りをしっかりして、「上半身を使って走る」という意識をもってもらえればと思います。
<下り坂>
下り坂を走る場合は、自然と勢いがついてしまい、ブレーキをかけてしまいがちです。歩幅も大きくなってしまうので、一歩一歩の着地衝撃が大きく、膝や腰に大きな負担がかかってしまいます。
下り坂では、可能な限り回転数を増やす意識をもち、腕振りや歩幅を小さくするように走りましょう。僕自身は自分が自転車のように進む姿をイメージするようにしていて、下りの勢いを活かし、上下動を抑えて進むよう意識しています。
<とはいえメンタルが大事>
上り坂、下り坂とそれぞれの走り方を教科書的に説明しましたが、実はメンタルがかなり重要だと思っています。
例えば箱根駅伝で山の神と言われた今井、柏原、神野の3選手について言えば、走り方の共通点は多くなく、大きな共通点は気持ちの強さではないかと感じています。
『上り坂が得意』と思うことや、心拍数が上がることを楽しんで(前向きに捉えて)走ることが重要です。
また下り坂では、平地では体感できないスピードが出るため、自然と(本能的に?)「ブレーキ」を掛けてしまいがち。そのリミッターを外し、思い切って走ることがスピードアップのポイントです。
<マラソンでは全体の走りを考えて>
しかしながら、アップダウンがレースの全てでなく、平地があって、アップダウンがあるという大会がほとんどです。アップダウンでエネルギーを使いすぎず、「トータルで見て」良い走りができるよう、ペース配分を考えてもらえればと思います。