令和5年8月中に法人を新設 インボイス登録の手続きは?
2023/04/24
Q. 私は令和5年の8月中に法人を設立し、インボイスの登録申請を予定しています。インボイスの登録申請期限は令和5年3月31日と伺ってますが、法人の設立が令和5年8月の場合、期限までに申請することができません。令和5年10月1日から適格請求書発行事業者になるための手続について教えてください。
A.
1.新たに設立された法人等の登録時期の特例
新たに設立された法人が設立事業年度からインボイスの登録を受けようとする場合には、「課税期間の初日から登録を受けようとする旨」を記載した登録申請書を設立事業年度の末日までに提出することにより、設立事業年度の初日から適格請求書発行事業者となることができます(消令70の4、消規26の4一)。
免税事業者はインボイスの登録申請ができないこととされていますが、令和 5 年 10 月 1日から令和11 年 9 月 30 日までの日の属する課税期間中に登録する場合には、経過措置により免税事業者でも登録申請書の提出が認められています(平成28年改正法附則44④、インボイス Q&A 問 12)。
よって、期首の資本金が1,000万円未満で新設された法人は、設立事業年度中に登録申請書を提出することにより、「課税事業者選択届出書」を提出しなくても設立事業年度の初日から適格請求書発行事業者となることができます。
なお、令和5年10月1日よりも前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は令和5年10月1日から生ずることになりますので、法人の設立年月日から令和5年9月30日までの期間については当然に納税義務はありません(平成30年改正令附則13)。
期首の資本金が1,000万円以上の新設法人は設立事業年度から課税事業者となりますので、設立事業年度中に登録申請書を提出することにより、経過措置を適用することなく、設立事業年度の初日から適格請求書発行事業者となることができます。
なお、令和5年10月1日よりも前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は令和5年10月1日から生ずることになります(平成30年改正令附則13)。
2.困難な事情の記載
期限までに登録申請書を提出することにつき、困難な事情がある場合には、困難の度合いを問わず、令和5年10月1日に登録を受けたものとみなすこととされています(インボイス通達 5-2)。
そこで、あえて申請書に困難な事情を記載しなくても、令和5年9月30日までに登録申請をすることにより、令和5年10月1日からの登録ができることとなりました(令和5年度税制改正大綱の四消費課税の 1(4)③(注))。
なお、実際の登録日が令和5年1 0月1日後にずれこんだ場合には、令和5年10月1日に登録を受けたものとみなされますので、登録通知を受け取った後に登録番号を取引先に通知すれば、通知前に交付した請求書等はインボイスとしての効力を有することになります(平成30年改正令附則15①)。
言い換えれば、令和5年10月1日以後に発行する請求書等は、インボイスの通知が届くまでの間は登録番号を記載することはできないということです。よって、通知が届いた後でインボイスの再発行をする、あるいは登録番号などの必要事項を取引先に通知するような方法で対処することになります(インボイス制度の負担軽減措置のよくある質問とその回答 問20)。
法人の登録番号は法人番号であることをもって、インボイスの通知が届く前に法人番号を登録番号として請求書等に記載することは認められないのでご注意ください。