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トラブルは現場で起きている!

学校法人で権力をふるう人たち

2018/06/05

 森友学園、加計学園、日本大学と、このところ学校法人をめぐる悪いニュースばかりが続いています。その中で聞こえてくるのは、創業者一族によって私物化されていたり、権力者とされる理事長によって思うままに支配されていたりする学校法人の実態です。

 学校法人の在り方は、私立学校法で定められていますが、我が国の各地の学校に見られる創業者一族の支配の実態に配慮しているのか、学校法人の組織は中途半端なガバナンスの制度になっていて、そうしたことの弊害がときおり悪いニュースになって顔をのぞかせます。

 大阪桐蔭学園といえば、今年の春の選抜高校野球の優勝校として甲子園を湧かせた高校野球の強豪校ですが、かつて、5億円の裏金問題と7000万円の所得隠しで大きく取り上げられたことがありました。

 もともと学校法人大阪産業大学が運営する付属高校の分校から独立した大阪桐蔭高校は、野球の強豪校として名を馳せながら、京都大学、大阪大学などへの進学実績を積み上げて、文武両道の有名校に急成長を遂げますが、その裏には校長からやがて学校法人の副理事長として権力をふるうようになるM氏の剛腕経営があったといわれています。

 2015年3月、大阪桐蔭中学・高校の裏金不正流用問題が内部告発により発覚します。生徒の保護者から集めた模擬試験の受験料、副教材費が裏金のもとになっていました。保護者からは正規の金額より多めに徴収して、その分を裏金にしていたというのですから、あきれます。裏金は、M氏の個人口座などに隠され、その額は総額で5億円を超えるとみられていました。

 そこに大阪国税局の税務調査が入り、2016年4月に7000万円の所得隠しを指摘されたことがわかりました。保護者から余分に徴収して裏金にしていた分が、学校法人の収益事業と認定されたのでした。その他、学校側が模試の主催者である予備校から試験監督などを受託して受け取っていた手数料が、収益事業の請負業に当たるとされました。大阪桐蔭の申告漏れは、2008年から2014年までの7年間で約1億円に上り、そのうち7000万円が、仮想隠ぺいを伴う所得隠しとして、重加算税の対象となりました。

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