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トラブルは現場で起きている!

実行委員会がなぜ問題になったか

2017/09/19

 全国各地で行われるイベントの多くは、市民参加の実行委員会などが主催者となって開催されますが、有料のイベントともなると、入場チケットを販売して得られる興行収益も相当の金額に上ります。

 実行委員会にはボランティアの市民サポーターも参加しますが、事務局は市役所や市の外郭団体などに置かれ、担当者も市の職員などが務めていることが多いのが現状です。そのため、そうしたイベントに法人税や消費税がかかるという認識が欠けているケースが往々にしてあるようです。実行委員会は、税法上は人格のない社団等として法人とみなされることになり、収益事業の興行業には法人税がかかり、チケット収入には消費税がかかるのです。

 長野県の松本市で2年に一度開催される「信州・松本大歌舞伎」は、松本の夏の風物詩として多くの市民が楽しみにしているイベントですが、このイベントを主催する実行委員会が、関東信越国税局から、2010年~2014年に至る5年分の法人税・消費税の申告漏れを指摘され、加算税、延滞税を含めて3547万円を納付したと報じられたのは2015年3月のことでした。

 この「まつもと大歌舞伎」のチケット収入は、1興行当たり1億2000万円~1億6000万円もあり、かなりの剰余金が生じていましたが、実行委員会では納税は不要と判断していたようです。

 同じような申告漏れは、北海道の札幌市でもありました。「サッポロ・シティ・ジャズ」を主催する実行委員会が、2007年から2009年までの3年間、イベント開催で多額の収益を上げていたにもかかわらず、税務申告をしていなかったことが札幌市の予算特別委員会で問題にされました。

 サッポロ・シティ・ジャズは、毎年夏に開催され、大通公園の会場を中心に有名アーティストが出演する国内最大級のジャズフェスティバルとされていますが、他にも不祥事がありました。

 シティ・ジャズのプロデューサーを務めていた札幌市芸術文化財団の事業部次長が、その肩書を利用して、シティ・ジャズで取引のある会社から数百万円を借金したり、自分の妻が経営する会社にシティ・ジャズの業務を発注していたことなどがわかり、自分の地位を私的に利用したとして、懲戒解雇処分を受けていたのです。

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