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さいたま市 固定資産税評価業務にAI活用 作業時間9割削減へ

2019/09/25

 さいたま市は、2020年1月から固定資産税の課税客体の把握に政令市では初めてとなるAI(人工知能)を活用すると発表した。

 固定資産税の現況調査は、9月から翌年1月にかけて行われ、その調査を補捉するため、1月1日現在の航空写真から得られた情報をもとにした再調査が3月から4月にかけて行われている。

 ただ、航空写真の比較については、委託業者が目視によって前年度の写真と照合していることから、処理に膨大な時間がかかるほか、判読結果にバラツキが出るなどの課題があった。また、前年との比較で変化があるものの明確な判断ができず、不明となる案件も多数発生していたが、これらの案件は市の職員が再調査をする必要があり、調査時間が増大して残業が発生していた。

 AIの導入により、前年度の写真と比較して新築や増築といった家屋が変化したところを自動的に抽出し、調査が必要なポイントを的確に絞り込むことが可能となる。再調査に向けた調査図の更新などに要する準備作業や、航空写真による照合作業にかかる時間が大幅に削減され、これまで固定資産税の評価業務に586時間かかっていたものが、約9割削減の63時間まで短縮できるという。さらに、高速処理によって納期も3月末から2月末に早まるほか、再調査ポイントもAIの解析能力の向上によって約5分の1にまで絞られる見込みだ。

 さいたま市では、来年1月から区役所で課税していたものを2カ所の市税事務所に統合することで業務の効率化を図る一方、職員が再調査する場合に現地までの距離が遠くなり、現況調査にかかる時間が現在の約3倍に増えると考えられていたが、AI化によって作業時間が大幅に縮減されることで、従来よりも効率よく業務を進めることが可能となった。

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