仙台局 名取市の犯罪被害者等支援金の課税関係で文書回答
2023/10/17
仙台国税局はこのほど、国税庁のホームページで「犯罪被害者等に対して支給される名取市の犯罪被害者等支援金の課税関係について」の文書回答を公表した。
照会者の宮城県名取市では、犯罪被害者等に対する総合的な支援を推進し、犯罪被害者等が受けた被害の早期軽減を図ること等を目的として、「名取市犯罪被害者等支援条例」を制定。同件条例に基づき、犯罪被害者等に対して支援金が支払われるが、今回の照会は、その支援金を受領した場合の課税関係に関するものだ。
同条例に基づく支援金の支給対象者の金額としては、犯罪行為により死亡した者の遺族である市民に対し、遺族一時支援金として30万円。犯罪行為により傷病の被害を受けた市民に対し、傷病一時支援金として10万円。犯罪行為により死亡した者の遺族である市民に対し、死体検案費用支援金として上限10万円(死体検案書料を除く死体検案に要した費用)。
心身または資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金およびこれに類するものは、事業所得等に係る収入金額に代わる性質を有するもの、役務の対価たる性質を有するものおよび必要経費に算入される金額を補填するためのものを除き、所得税を課さないこととされている(所得税法第9条第1項第18号、所得税法施行令第30条第3号)。
また、災害等の見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし、社会通念上相当と認められるものについては、所得税法施行令第30条の規定に基づき、課税しないものと取り扱われている(所得税基本通達9-23)。
名取市は、同条例に基づく支援金は、いずれも犯罪被害者等が受けた被害の早期軽減を図ることを目的として支給するもので、「見舞金」としての性格を有しており、また、それぞれ損害が生じており、それに伴い地方公共団体がその市民に対して支払う見舞金として社会通念上相当であると判断。
また、事業所得等に係る収入金額に代わる性質を有するもの、役務の対価たる性質を有するものおよび必要経費に算入される金額を補填するためのものでないことから、非課税所得に該当するものと考え、今回、事前照会を行うこととなった。