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令和3事務年度 法人税実地調査は前年比1.6倍の4万1千件

2022/12/08

 国税庁はこのほど、令和3事務年度法人税等の調査事績の概要を公表した。

 それによると、資料情報と提出された申告書などの分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度が高い法人4万1千件(前年対比163.2%)について実地調査を実施したところ、法人税の非違があったのは3万1千件(同155.4%)、このうち不正計算があったものは9千件(同140.1%)。

 申告漏れ所得金額は6028億円(同114.0%)、このうち不正所得金額は2208億円、追徴税額は1438億円(同119.1%)。新型コロナウイルスの影響を受けつつも、調査件数、申告漏れ所得金額、追徴税額がいずれも増加している。

 なお、申告内容に誤りなどが想定される納税者等に対して、税務署において書面や電話による連絡や来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請する「簡易な接触」を行っているが、令和3事務年度においては自発的な申告内容等の見直し要請を6万7千件(同98.0%)実施。その結果、申告漏れ所得金額は88億円(同116.6%)、追徴税額は104億円(同167.5%)だった。

 主な取組みとしては、虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得ていると認められる法人を的確に選定し、厳正な調査を実施。令和3事務年度は、消費税還付申告法人のうち4252件(同138.7%)に実地調査を行い、消費税372億円(同169.6%)を追徴課税した。また、そのうち791件(同155.1%)は不正に還付金額の水増しなどを行っており、111億円(同327.2%)を追徴課税した。

 また、国税庁では、無申告法人を的確に管理するとともに、稼働無申告法人に対する調査についても重点的に取り組んでいる。令和3事務年度においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人に実地調査を実施し、法人税90億6100万円(同176.2%)、消費税82億絵3100万円(同74.6%)、合わせて172億9200万円(同106.9%)を追徴課税した。このうち、稼働している実態を隠し、意図的に無申告であった法人に対して法人税63億2200(同191.1%)、消費税36億3800万円(同59.1%)を追徴課税した。

 そのほか、海外取引法人等については、国外送金等調書をはじめとした資料情報等から選定し、租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査を実施。令和3事務年度は、実地調査を6676件(同146.1%)実施したところ、1752件(同123.0%)において海外取引等に係る非違があり、申告漏れ所得金額を1611億円(同105.3%)把握した。

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