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住宅ローン減税の適用ミス 徴収不足は5億5千万円

2019/11/22

 会計検査院は先日公表した「2018年度決算検査報告」の中で、2013年~2017年の間、税務当局が住宅ローン減税などの適用ミスを見過ごしていたため、3140人、合計で約5億5千万円の徴収不足があったことを公表した。

 住宅ローン控除特例などの適用状況やこれに係る審査状況について検査したところ、全524税務署のうち455税務署において、納税者3398人から租税を徴収するに当たり、納税者が適用額の計算を誤ったり、適用要件を満たしていなかったりしていたのに、税務署が特例に係る審査において同一税務署内の他の部門が管理している申告書等の書類の内容を必ずしも確認しておらず、これを見過ごすなどしたため、3140人について5億5843万円の不足、258人について2065万円の過大が見受けられた。

 今回の会計検査院の指摘に基づき、国税庁では改善の処置を講じたとしている。なお、申告誤りとなっているのは以下の3つのケースだ。

【ケース1】(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例について、合わせて適用を受けた場合の住宅ローン控除額の計算誤り

 新築や購入等した家屋を居住の用に供した年分またはその前年分において、その家屋を取得するに当たり贈与を受け、その受贈額について贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けた場合で、さらにその家屋について(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けるときは、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の控除額の計算上、贈与の特例の適用を受けた受贈額を家屋の取得価額等から差し引く必要があるにもかかわらず、誤ってその減算をしていなかったケース。

【ケース2】(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と居住用財産を譲渡した場合などの譲渡所得の課税の特例との重複適用

 新築や購入等した家屋を居住の用に供した年分およびその前後2年分ずつの計5年分の間に、居住用財産を譲渡した場合などの譲渡所得の課税の特例の適用を受けた場合には、その家屋について(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることができないにもかかわらず、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていたケース。

【ケース3】贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例のうち、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用における所得要件の確認もれ

 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例については、その適用を受ける年分の所得税の合計所得金額が2000万円超である納税者は、その適用を受けることができないにもかかわらず、誤って適用を受けていたケース。

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