住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するパンフレット公表
2024/06/03
国税庁はさきごろ、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましを公表した。
このパンフレットでは、①住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税、②住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例。③災害等に関する税制上の措置について解説している。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税とは、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる制度。
パンフレットではイラストや図解を用いて同制度を解説しているほか、受贈者ごとの非課税限度額、受贈者等の要件なども分かりやすくまとめている。
また、「新非課税制度」等に関するQ&Aも4問掲載。
例えば、「父と母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の新非課税制度の適用」では、「私は、令和6年5月に父と母から住宅取得のための資金として1,000万円ずつ贈与を受け、その資金で同月中に省エネ等住宅を取得し、同年中に居住を開始しました。贈与者ごとに新非課税制度の適用を受けられますか」という問いに対し、次のように回答している。
「この場合の非課税限度額は、受贈者1人について1,000万円が限度となりますので、あなたが贈与を受けた2,000万円(1,000万円×2名)のうち1,000万円について新非課税制度の適用を受けることができます。なお、新非課税制度の適用に当たって、誰からの贈与について、いくらの適用を受けるかは、受贈者の選択となります」。
また、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用後の贈与では、「私は、令和5年中に母(満57歳)から住宅取得のための資金として3,500万円の贈与を受け、令和5年分の贈与税の申告では「旧非課税制度」と「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用を受けています。令和6年に母から現金300万円の贈与を受けましたが、令和6年分の贈与税の申告はどのようになりますか」という問いに対し、次のように回答している。
「「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用を受けた場合には、その特例の対象となる住宅取得等資金の贈与があった年分以降、その特例に係る特定贈与者から贈与を受けた財産については、たとえ特定贈与者が60歳に達していなくとも財産の種類にかかわらず、全て相続時精算課税の適用を受けることとなります。したがって、あなたが令和6年に贈与を受けた現金300万円は、相続時精算課税を適用して申告することになります」。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましはこちら。