税務・経営ニュースTaxation Business News

公益法人が遺贈後に支払う遺留分侵害額  東京局が事前照会に文書回答

2026/10/13

 東京国税局はこのほど、公益財団法人で、法人税法上の公益法人等に該当する協会からの事前照会「公益財団法人が遺贈を受けた後に遺留分侵害額請求に基づき金銭を支払う場合の税務上の取扱いについて」の文書回答を公表した。

 それによると、同協会は、今般、公正証書遺言に基づき、死亡した個人(以下、本件遺言者)から遺贈(以下、本件遺贈)を受けることとなり、本件遺贈により、本件遺言者が相続開始時に有していた一切の財産(以下、本件財産)を包括的に取得することとなった。本件財産には現金・預金、賃貸中の建物(以下、本件賃貸建物)および本件賃貸建物に係る借地権が含まれている。

 本件遺贈により本件賃貸建物を取得することで、同協会は、新たに法人税法上の収益事業として不動産貸付業を行うこととなる。

 本件遺言者には遺留分権利者(法定相続人)がいるところ、本件遺贈により本件財産を包括的に取得した同協会が、その遺留分権利者から民法第1046条第1項《遺留分侵害額の請求》の規定に基づき遺留分侵害額に相当する金銭の支払の請求を受けることにより支払うこととなる金銭の額(以下、本件支払額)は、同協会が行う収益事業(不動産貸付業)から生ずる所得の金額の計算上、損金の額に算入することとはならないと解して差し支えないか事前照会を行った。

 公益法人等は、収益事業から生ずる所得についてのみ法人税が課される。今回、遺留分侵害額を算定する基礎となる財産には、収益事業に属する本件賃貸建物も含まれているため、本件支払額のうち、本件賃貸建物の価額に対応する部分は損金に算入されるのではないかという疑問が生じた。

 しかし、本件支払額は、本件遺贈に伴う遺留分侵害額請求によって生じるものであり、本件賃貸建物の貸付けに直接要した費用や貸付けから生じた損失ではないことから、同協会は収益事業の所得計算上、損金に算入することとはならないと考えた。

 東京国税局は、照会に係る事実関係を前提とする限り、差し支えないとの回答を示した。

PAGE TOP