国税庁 公営競技の払戻金の支払を受けた人へ呼びかけ
2019/01/10
確定申告を間近に控え、国税庁は公営競技の払戻金の支払を受けた人に対し、同庁のホームページで「公営競技(競馬、競輪、オートレース、ボートレース)の払戻金については、一時所得として確定申告が必要となる場合があります」と注意を呼びかけている。
また、同庁では、「払戻金の支払を受けた方へ」というリーフレットを制作しており、払戻金に係る一時所得の金額の計算方法などが分かりやすく記されている。同庁では、「リーフレットをご覧いただき、公営競技の払戻金に係る所得について、申告が必要かどうかご確認ください」としている。
公営競技の払戻金をめぐっては、雑所得として外れ馬券の購入費用が必要経費として控除できるか否かで争われていた裁判は記憶に新しい。この争いで最高裁は平成29年12月15日、馬券購入の態様や利益発生の状況等から雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当すると判断。所得税基本通達34-1が改正されることとなった。
具体的には、「馬券を自動的に購入するソフトウェアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合」は、雑所得に該当するとした。
とはいえ、一般の競馬愛好家については、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できないので注意したい。