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平成31年度税制改正大綱 ~個人所得課税~

2019/01/22

<住宅ローン控除の拡充>
 消費税率10%が適用される住宅取得等について、控除期間が3年延長されます(現行10年⇒13年)。住宅取得等から10年間の仕組みは現行制度と同様ですが、11年目以降の3年間について、消費税率2%引上げ分の負担に着目した控除額の上限が設定されることになりました。

 適用期間は、平成31年(2019年)10月1日から平成32年(2020年)12月31日まであり、その期間に消費税率10%が適用された住宅取得等に限り適用されます。

<空き家の3,000万円控除の拡充及び延長>
 空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等は、一定の要件を満たす場合に限り、相続開始直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用するほか所要の整備を行った上、その適用期限が4年延長されます。

 本制度の拡充及び延長により、相続人が使う見込みのない空き家・敷地の流通が促進され、空き家発生の抑制に資することが期待されています。

<NISA制度の見直し>
 現行制度では、NISA口座保有者が海外転勤等により一時的に出国する場合、既にNISA口座で保有している商品は課税口座に払い出されることになり、一旦課税口座に払い出された商品は、NISA口座に戻す(移管する)ことはできませんでした。

 しかし、見直しによって、海外転勤等により一時的に出国する場合であっても、5年以内に帰国すれば、引き続きNISA口座での商品保有が可能になります。

<仮想通貨に関する所得税の取得価額の計算方法の明確化>
 仮想通貨取引による所得は、原則として「公的年金等以外の雑所得」に区分されますが、その者の所得金額の計算上、必要経費に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる期末において有する仮想通貨の価額は、移動平均法又は総平均法により算出した取得価額をもって評価した金額とするほか、所要の措置が講じられることになりました。



<ふるさと納税に係る返礼品等の見直し>
 過度な返礼品(返礼割合3割超、返礼品を地場産品以外)を送付し、制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税(特例控除)の対象外にすることができるよう、制度の見直しが行われます。

 その見直しは、平成31年(2019年)6月1日以後に支出された寄附金について適用されますので、先生方から顧問先などへ早めに情報提供すべきでしょう。

<子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置>
 子どもの貧困に対応するため、事実婚状態でないことを確認した上で支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置が講じられることになりました。


アドバイザー/中島 孝一 税理士

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