所得税還付申告に関する国税当局の対応について公表
2022/12/02
国税庁はこのほど、所得税還付申告に関する国税当局の対応について公表した。
昨今、所得税の還付申告の中には、架空の源泉徴収税額や各種控除額を記載し、不正に還付を受けようとするケースが見受けられる。
そこで、国税当局では、各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いを一旦保留しつつ、還付申告の内容が適正かどうかを確認するため、勤務先などに給与等の支払実績の確認を依頼するほか、税務職員が自宅などに直接赴いて実地調査を行っている。
また、確定申告書(還付申告書を含む)を提出した納税者の本人確認は、申告書に記載されたマイナンバーなどで行っているため、還付申告書にマイナンバーが記載されていない場合は、不正還付防止のため、納税者への連絡も含めて確認を行っている。
国税当局では、不正還付申告書を的確に把握するため、実態確認やデジタル技術の活用による審査を行うなど、厳格な対応を引続き行っていく構えで、悪質な不正還付申告書の提出が確認され、詐欺罪などに該当すると判断した場合には、刑事上の責任追及の要否を検討した上で、告訴等を行うなど都道府県警察との連携強化にも取り組んでいる。
なお、令和3事務年度の不正還付申告書の課税処理の状況をみると、処理件数は191件(前事務年度182件)、追徴税額は2億712万5000円(同1億2402万1000円)となっている。