有識者会議が個人の資産形成を後押し 貯蓄から投資の流れへ
2017/04/12
現在、日本の家計の金融資産(約1700兆円)の51.9%(約900兆円)が「現預金」で、13.7%の米国や24.4%の英国と比べて株式や投資信託などの割合が低く、家計における金融資産の伸びは低い水準となっている。
そこで、「現預金」に偏りがちな資産運用を、どのように「株式」や「投資信託」に転換させるかを議論するため、金融庁は2月3日、「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」を立ち上げ、初会合を開催した。
同会議では、新たに創設された「積立NISA」などの長期・積立・分散投資の促進をはじめ、実践的な投資教育や初心者でも商品性の違いを比べやすい情報発信の方法などについて議論・検討を行い、現貯金から投資への流れを後押しする。
同会議では、新たに創設された「積立NISA」などの長期・積立・分散投資の促進をはじめ、実践的な投資教育や初心者でも商品性の違いを比べやすい情報発信の方法などについて議論・検討を行い、現貯金から投資への流れを後押しする。
3月30日には第2回会議が開かれ、その中で投資信託を保有している4000人に対し、投資信託の信託報酬についての認識を尋ねるアンケート調査の結果が報告された。
それによると、「投資信託を100万円分買って保有し続けていて、この間、大きく値上がりも値下がりもしていない場合、一般的に100万円から年にどれくらいの『信託報酬』が差し引かれていると思いますか」との問いに、実際の信託報酬の平均は年に「1万4千円程度」だが、投資家の認識としては「1千円前後」(29.7%)や「5千円前後」(24.9%)が多く、「ほぼ0円」(7.0%)を加えると全体の61.6%が5千円以下と回答。
手数料などの費用の詳細を顧客が理解ような情報発信の必要性が浮き彫りとなった。