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令和7年度税制改正大綱 賃上げと投資が牽引する 成長型経済への移行に対応

2025/02/13

 昨年12月27日に閣議決定された令和7年度税制改正大綱。さらなる経済成長を実現するためには、供給側の強化とともに、企業収益および個人所得を向上させ、需要(消費)を拡大していくことが重要と捉え、同大綱では、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行に対応し、またそれをさらに発展させていくための税制改正を最重点事項とした。

 令和7年度税制改正大綱における法人課税関係では、中小企業経営強化税制の拡充等が盛り込まれた。具体的には、特定経営力向上設備等に、その投資計画における年平均の投資利益率が7%以上となることが見込まれるものであること、および経営規模の拡大を行うものとして経済産業大臣が定める要件に適合することにつき経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(機械装置、工具、器具備品、建物及びその附属設備並びにソフトウエアで、一定の規模以上のもの)を追加するほか、所要の見直しを行う。

 中小企業者等の法人税の軽減税率の特例については、次の見直しを行った上、適用期限を2年延長する。①所得の金額が年10億円を超える事業年度について、所得の金額のうち年800万円以下の金額に適用される税率を17%(現行:15%)に引き上げる。②適用対象法人の範囲から通算法人を除外する。

 資産課税では、中小企業等経営強化法に規定する先端設備等導入計画に基づき、中小事業者等が取得する生産性向上や賃上げに資する一定の機械・装置等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象資産を雇用者給与等支給額の引上げの方針を位置づけた同計画に基づき取得する一定の機械・装置等に限定するなどの見直しを行い、適用期限を2年延長する。

 また、法人版事業承継税制の特例措置では、贈与の日まで引き続き3年以上、特例認定贈与承継会社の役員等を務めていることが要件とされているが、この期間が短縮され、贈与の直前において特例認定贈与承継会社の役員等であることが要件とされた。個人版事業承継税制についても同様の見直しを行う。

 納税環境整備では、電子帳簿等保存制度の電子取引データに関連する隠蔽・仮装行為について、重加算税の割合を10%加重する措置の対象から、国税庁長官が定める基準に適合するシステムを使用した上で、一定の要件を満たして保存が行われている電子取引データを除外する。

 また、青色申告特別控除の控除額65万円の適用要件について、優良な電子帳簿の保存または電子申告をしているほか、上記システムを使用して上記電子取引データを保存している者にも適用できることとする。

 そのほか、防衛力強化に向けた財源確保として防衛特別法人税(仮称)が創設される。これは、法人税額から500万円を控除した額に税率4%の付加税を課すもの。令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。さらに、加熱式たばこの課税方式の見直しを令和8年4月、同年10月の2段階で実施するとともに、国のたばこ税率を令和9年4月、同10年4月、同11年4月の3段階で1本当たり0.5円ずつ引き上げ、3年間で1箱30円程度増税する。

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