金融庁 NISAの利便性向上へさらなる改善を要望
2023/09/13
金融庁はこのほど、令和6年度税制改正要望を公表した。
まず、「資産所得倍増プラン」および「資産運用立国」の実現に向けて、NISAの利便性向上等を要望した。NISAについては、昨年の税制改正により抜本的拡充・恒久化が実現し、2024年1月から新しいNISAが開始されるが、5年間でNISA総口座数・買付額を倍増させる目標達成に向け、新しいNISAの利便性向上等のため、デジタル化が十分に進んでいない手続き等について、さらなるデジタル化を含め、所要の措置を講ずることを求めた。
次に、上場株式等の相続税に係る物納要件等の見直しを要望した。上場株式等による物納については、「延納によっても金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること」などの要件があるため、一部の利用に限られている。そこで、納税者が利用しやすい納税環境を整備する一環から、換金性の高い上場株式等については、物納の特例を措置するほか、国民の資産形成において税制が資産選択に歪みを与えることがないよう、上場株式等について相続税評価方法等の見直しを行うことを求めた。
そのほか、証券・金融、商品を一括して取り扱う総合取引所が2020年7月に実現したことを踏まえ、投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境の整備を図り、家計による成長資金の供給拡大等を促進する観点から、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大することを要望した。
第三者保有の暗号資産の期末時価評価課税に係る見直しでは、Web3推進に向けた環境整備を図り、ブロックチェーン技術を活用した起業等を促進する観点から、法人(発行者以外の第三者)の継続的な保有等に係る暗号資産について、期末時価評価課税に係る見直しを進めることを求めている。