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M&Aの悪質な譲受け事業者を情報共有

2024/09/09

 一般社団法人M&A仲介協会はこのほど、不当なM&A取引防止を目的に悪質な譲受け事業者の情報共有を目的に「特定事業者リスト」の運用を今年10月1日から開始すると発表した。また、自主規制ルールに準ずる規約として「特定事業者の情報共有の仕組みに関する規約」を策定し、同様に2024年10月1日の施行を予定している。

 同協会は、中小企業庁が中堅・中小企業のM&Aを推進するために取りまとめた「中小M&A推進計画」に基づき、公正で円滑な取引を推進し、M&A 仲介業界の健全な発展に取り組むことを目的に2021年10月に設立された。

 2024 年8月現在、104社の正会員(仲介会員および金融会員)および協賛会員と幹事会員3 社の計107社で運営されており、日税グループの株式会社日税経営情報センターも正会員として加盟している。

 近年、中小企業の後継者問題の解決策のひとつとしてM&Aが広まり、成長の手段としても活用されるようになった一方で、悪質な譲受け事業者の存在が問題になっている。悪質な譲受け事業者としては、例えば、譲渡企業の経営権を取得後、譲渡側経営者の個人保証の解除を行わず、対象会社の現金などの資産を抜き取った上で、そのまま事業を放置したり、失踪するケースが挙げられている。

 そこで、同協会では、不当なM&A取引の防止を目的に、2024年10月から「特定事業者リスト」の運用を開始する。同リストは、会員が悪質な譲受け事業者の情報を得た場合、同協会に通報。同協会は審査の結果、悪質な譲受け事業者であると判断した場合に「特定事業者リスト」に該当する事業者の情報を登録する。その情報を会員は検索して確認でき、会員各社の譲受け事業者のチェック機能の一部として活用することが可能となる。

 これに合わせて、同協会では、「特定事業者の情報共有の仕組みに関する規約」を策定した。同規約は、適切なM&A取引の実行を期することを目的とし、「特定事業者リスト」を中心に、会員が不当なM&A取引に関与することを防止し、顧客企業およびその利害関係者の被害を抑制するために策定したルール。「特定事業者リスト」の運用と同様に2024年10月1日の施行を予定している。

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