調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例を公表
2023/04/13
国税庁はこのほど、「調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例」を同庁ホームページに公表した。
この資料は、調査課所管法人における法人税申告書の申告内容の誤りが多い事例について集計し、その状況を取りまとめたもの。
それによると、最も多かったのは「外国税額の控除等に関する誤り(別表六(二)等)」。具体的には、➀「その他の国外源泉所得に係る当期利益又は当期欠損の額」欄の金額が税引後の金額になっていなかった。②外国法人税に該当しない税を記載していた。③別表六(四)の8欄(納付外国法人税額の税率)が租税条約の限度税率を超えていた。
次に多かったのが、「法人税額及び地方法人税額の計算に関する誤り(別表一・同次葉)」で、➀別表一の「中間申告分の法人税額」欄および「中間申告分の地方法人税額」欄に、中間申告分の税額を正しく記載していなかった。②当事業年度終了の時における資本金の額又は出資金の額が1億円超の法人等であるにもかかわらず、年800万円以下の所得について軽減税率を適用していた。③地方法人税額の計算につき、別表一次葉の「地方法人税額の計算」欄により計算していなかった、といった誤りが示されている。
三番目に多かったのが「所得金額の計算・利益積立金額等の計算に関する誤り(別表四・別表五(一))」。ここでは、➀貸借対照表の任意引当金等の金額が別表五(一)の④欄(差引翌期首現在利益積立金額)の金額と一致していなかった。②前事業年度以前に所得金額に加算した有価証券等の評価損の額について、当事業年度に売却等の減算事由が生じたものを減算していなかった。③ 別表四の1③欄の配当の額が、株主資本等変動計算書等に記載の剰余金の配当等の額と一致していなかった、という誤りが目立った。
そのほかの主な誤りは次のとおり。
「受取配当等の益金不算入に関する誤り(別表八(一)・同付表一)」
→ 「非支配目的株式等の受取配当等の額」欄の金額に非支配目的株式等に係る配当等の額に該当しないものを含めていた。
「租税公課の納付状況等に関する誤り(別表五(二))」
→ 別表五(二)の 19 の③欄及び④欄でプラス表示している事業税等の額を別表四の 13 欄等で減算していなかった。
「役員給与等に関する誤り(役員給与等の内訳書)」
→ 役員に対する給与の額のうち、定期同額給与、事前確定届出給与及び損金となる業績連動給与のいずれにも該当しないものの額を別表四で加算していなかった。
「減価償却資産の償却額の計算に関する誤り(別表十六(一)等)」
→ 中小企業者等に該当しない法人であるにもかかわらず、中小企業者等に該当しないと適用できない特別償却を適用していた。