令和7年基準地価 全国の全用途平均1.5%上昇 全体的に上昇基調が継続
2025/10/14
国土交通省はこのほど、令和7年7月1日時点における都道府県地価(基準地価)を発表した。
それによると、全国の全用途平均は前年から1.5%上昇(前年:1.4%上昇)。これで4年連続のプラスとなった。新型コロナの影響で地価の上昇基調に急ブレーキがかかり、令和2年からマイナスに転じていたが、令和4年の調査から回復の兆しがあり、今年は上昇率がさらに拡大したことで、地価の回復傾向が鮮明になった。

用途別では、商業地が前年から2.8%上昇(同2.4%上昇)、住宅地は1.0%上昇(同:0.9%上昇)した。
三大都市圏を見ると、全用途平均・商業地は、東京圏で13年連続、大阪圏で4年連続、名古屋圏で5年連続の上昇となり、東京圏と大阪圏では上昇幅が拡大した。住宅地は、東京圏と名古屋圏で5年連続、大阪圏では4年連続で上昇し、こちらも上昇幅が拡大している。
一方、地方圏では、全用途・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇した。地方四市( 札幌市、仙台市、広島市、福岡市)を見ると、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも13年連続で地価が上昇したが、上昇幅は縮小した。
地方四市を除く地方圏の住宅地は、平成8年から29年続いた下落が横ばいに転じた。全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が続いている。
国土交通省では、全国の地価動向として、住宅地は「住宅需要は引き続き堅調であり、地価上昇が継続している。特に東京圏や大阪圏の中心部において高い上昇を示している。リゾート地域等では、別荘・コンドミニアムや移住者、従業員向けの住宅需要を背景に、引き続き高い上昇を示している。子育てしやすい環境が整備され、転入者が多い地域では、堅調な住宅需要に支えられ、引き続き高い上昇を示している」などと分析。
商業地については、「主要都市では、店舗・ホテル等の需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向によって収益性が向上していることから、地価上昇が継続している。マンション需要との競合が見られる地域では、引き続き高い上昇を示している。特にインバウンドが増加した観光地等では、引き続き高い上昇を示している」などの特徴を示した。
なお、全国の最高価格地点は、商業地が東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」で1平方メートル当たり4690万円。前年から11.4%上昇した。大阪圏の商業地最高価格地点は、大阪市北区大深町の「グランフロント大阪南館」で1平方メートル当たり2450万円。名古屋圏は名古屋市中村区名駅3丁目の「大名古屋ビルヂング」の1970万円だった。前年と比べて商業地の上昇率が最も高い都道府県は東京都(11.2%)、県庁所在都市は東京23区(13.2%)。住宅地の上昇率トップの都道府県は沖縄県(5.7%)、県庁所在都市は東京23区(8.3%)だった。