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令和5年基準地価 地価の回復傾向が鮮明に 地方圏の全用途も31年ぶり上昇

2023/09/28

 国土交通省はこのほど、令和5年7月1日時点における都道府県地価(基準地価)を発表した。

 それによると、全国の全用途平均は前年から1.0%上昇(前年:0,3%上昇)し、2年連続のプラスとなった。新型コロナの影響で地価の上昇基調に急ブレーキがかかり、令和2年からマイナスに転じていたが、前年の調査で回復の兆しがあり、今年はさらに上昇率が拡大したことで、地価の回復傾向が鮮明になった。

 用途別では、商業地が前年から1.5%上昇(同0.5%上昇)、住宅地は0.7%上昇(同:0.1%上昇)した。

 三大都市圏を見ると、全用途平均・商業地は、東京圏で11年連続、大阪圏で2年連続、名古屋圏で3年連続の上昇となり、いずれも上昇率が拡大した。住宅地は、東京圏と名古屋圏で3年連続、大阪圏は2年連続で上昇し、こちらも上昇率が拡大している。

 一方、地方圏を見ると、全用途・住宅地が31年ぶりにプラスとなり、商業地も4年ぶりに上昇に転じた。

 特に、地方の地価上昇を牽引しているのが地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)だ。地方四市では、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも11年連続で地価が上昇しており、全用途平均は前年の6.7%から8.1%に、住宅地は6.6%から7.5%に上昇。商業地については6.9%から9.0%に拡大した。

 国土交通省では、全国の地価動向として、住宅地は「都市中心部や生活利便性に優れた地域などでは、住宅需要は堅調であり、地価上昇が継続している」、「都市部中心の地価上昇にともない、周辺部にも地価上昇の範囲が拡大しており、特に、地方四市の中心部の地価上昇にともない需要が波及した周辺の市などでは、高い上昇となっている」と分析。

 商業地については、「都市部を中心に、コロナ後の人流回復を受け店舗需要は回復傾向となり、オフィス需要も底堅く推移し、地価の回復傾向がより進んでいる」、「インバウンドを含めた観光客の回復傾向を受け、多くの観光地で、地価の回復傾向が見られる」、「再開発事業などが進展している地域では、利便性・繁華性向上への期待感から、地価の上昇傾向が見られる」などの特徴を示した。

 なお、全国の最高価格地点は、商業地が東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」で1平方メートル当たり4010万円。前年から2.0%上昇した。大阪圏の商業地最高価格地点は、大阪市北区大深町の「グランフロント大阪南館」で1平方メートル当たり2300万円。名古屋圏は名古屋市中村区名駅3丁目の「大名古屋ビルヂング」の1920万円だった。

前年と比べて商業地の上昇率が最も高い都道府県は福岡県(5.3%)、県庁所在都市は札幌市(11.9%)。住宅地の上昇率トップの都道府県は沖縄県(4.9%)、県庁所在都市は札幌市(12.5%)だった。

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