空き家対策小委員会がとりまとめ 固定資産税の住宅用地特例の解除を検討
2023/02/20
国土交通省が設置している「空き家対策小委員会」では、空き家の発生抑制や適切な管理・除却に向けた取組みの強化などについて令和4年10月から議論を行ってきたが、その結果として、今後の空き家対策のあり方についてとりまとめを2月7日に公表した。
現在、日本の空き家の総数は平成 30 年時点で 849 万戸あり、そのうち二次的利用、賃貸用または売却用の住宅を除いた空き家で、居住目的がないため管理不全となるおそれが比較的高いと考えられる空き家は 349 万戸となっており、令和 12 年には 470 万戸程度まで増加すると見込まれている。
市区町村がこれまで把握した管理不全の空き家は、累計約 50 万件。このうち約 14 万件は空家法に基づく措置や市区町村独自の対策により除却や修繕などがされたものの、約2万件の特定空家等や、約 24 万件にのぼるその他の管理不全の空き家は、今なお現存している(約 10 万件は状況不明。)。また、市区町村が所有者特定事務を行った管理不全の空き家など 52.8 万件のうち、約 9%にあたる 4.7 万件は所有者が判明するに至っていない。
そこで、今後の空き家対策の基本的方向性として、➀活用困難な空き家の除却等の取組みを加速化・円滑化する、②「空き家をなるべく早い段階で活用する」との考え方を基本とし、所有者や活用希望者の判断を迅速化する取組みを推進する、③特定空家等の状態となる前の段階から有効活用や適切な管理を促進し、地域経済やコミュニティの活性化に繋げることなどが示された。
特に、管理状態を問わない固定資産税の住宅用地特例の適用が空き家の温存となる恐れもあり、固定資産税の住宅用地特例の解除の検討を含み、空き家の所有者に適切な管理を促すことを可能とする取組みが掲げられた。
そのほか税制面では、相続した空き家を耐震改修または除却して譲渡した場合の譲渡所得の特別控除制度について、その延長・拡充により、空き家の早期譲渡を促すインセンティブを拡大するとともに、制度をわかりやすく周知することも示された。