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インタビューInterview

美術品の評価専門会社として 相続税申告や遺産分割をサポート

2024/05/17

日本税理士協同組合連合会指定会社
株式会社 美研鑑定(東京・文京区)
古江 敏夫氏/柳澤 洋佑氏

 日本税理士協同組合連合会の指定会社として、これまで多くの税理士から美術品の評価の依頼を受けてきた㈱美研鑑定。寄せられる相談の大半は、関与先が相続によって取得した美術品の評価だ。その中には、数千万円の価値があると聞かされていた絵画が印刷物だったり、それとは逆に、ほとんど価値がないと思っていた作品が、著名作家の本画だったというケースもあるそうだ。

――御社の業務内容について教えてください。

古江:当社は美術品の評価専門会社で、15年ほど前に日本税理士協同組合連合会の指定会社となりました。それ以来、税理士の先生方には大変お世話になっております。弁護士の先生や法人から美術品の評価を依頼されることもありますが、全体の8割は税理士先生からのご紹介です。特に、ご相談の中でも圧倒的に多いのが、税理士先生のお客様が相続した美術品の評価依頼です。亡くなった方が所有していた絵画類や陶磁器、宝飾品などは、相続税を申告する上で評価が必要となりますので、そのお手伝いをしています。

――美術品を相続した場合、その価値が分からないと遺産分割に影響が及びそうですね。

柳澤:はい。当社でもそれほど多くはありませんが、相続した美術品の価値があいまいな状態で遺産分割協議を行ったことでトラブルになりかけている、またはすでにトラブルになってしまったという方々からご相談やご依頼をいただくこともあります。被相続人から生前に「これは希少価値があって高額だ」などと聞かされていた美術品が相続財産に含まれていれば、誰でも戸惑ってしまうものです。

――これまで多くの美術品を評価されてきたと思いますが、印象に残っているものはありますか。

柳澤:カタログ・レゾネ(ある芸術家やひとつの美術館の全作品のデータを網羅して記した文書)に掲載がない作品や、存在自体は確認されているものの、所在不明とされていた作品を拝見した時はとても驚きましたね。また、「大した価値はないので処分を前提にとりあえず評価してください」と言われてご依頼いただいた作品が、実は世界的に市場性のある著名作家の本画だったこともあります。それとは逆のパターンとして、お問い合わせ時に「数千万円の価値がある」とお伺いしていた絵画が、現物を拝見したら印刷物だったということもありました。

――ご自身で価値を判断せず、専門家に評価してもらうことが大事というわけですね。

古江:そうですね。一般の方は「購入価格=相続申告額」と捉えられる方も少なくありませんが、相続で取得した資産の場合、「売却基準」の評価となりますので、購入価格とは乖離が生じることが多々あります。また、「作家が亡くなると価値が上がる」、「購入時に価値が上がると言われた」という話もよく耳にしますが、実際のところは一握りの作家を除き、そのような評価となるものはごくわずかです。金額や伝聞を過信せず、しっかりと評価して価値を知ることが、不要なトラブルを防ぐための最善策だといえます。

――相続以外には、どのようなケースで評価を依頼されることがありますか。

柳澤:監査法人などによる会計管理や減損会計制度導入により、企業が所有する美術品についても時価計上が必要とされています。数年前に購入された絵画などの美術品も、経済市場や美術市場の変化により評価も変動していますので、こうした美術品の評価を依頼されることがあります。

――最後に、税理士の先生方にメッセージをお願いします。 

古江:当社では、美術品の評価だけでなく、美術品か家財かの仕分けのお手伝いなど、関与先様のお悩みや要望に沿ったアドバイスもさせていただきます。また、当社は美術品の売買は一切行わず、評価専門会社として中立・公平な立場で対応いたしますので、安心してお気軽にお問い合わせください。

 

 ㈱美研鑑定や美術品評価に関するお問い合わせ 
事務代行:㈱日税ビジネスサービス      TEL:03 -3345 - 0888
または        日本税理士協同組合連合会  TEL:03 -5740 - 0920
 ※「美術品の評価の件」とお伝えください。

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