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インタビューInterview

社員全員で作ったクレドを実践し“みんなが幸せになる”組織へ

2018/09/06

森瀬 博信 税理士
税理士法人スーゴル 代表社員

 

――税理士法人の名称である「スーゴル(Soogol)」にはどんな思いが込められているのでしょうか。
 私どもの歴史は、東京の浅草で1969年に創業した岐村会計事務所から始まります。2007年にすばる会計事務所に名称変更を行い、10年後の2017年9月にスーゴル(Soogol)グループとして税理士法人化し、新たなスタートを切りました。スーゴル(Soogol)という名称は、前身のすばる会計事務所(Subaru)の「S(エス)」と、数の単位のグーゴル(googol) を足した造語で、1グーゴルは10の100乗という巨大数、すなわち「無限」を意味します。すばる会計事務所からの無限の可能性を表すとともに、お客様とともに無限に成長していきたい――、スーゴル(Soogol)にはそんな想いが込められています。

――関与先を支援するに当たって心掛けていることはありますか。
 私どもの経営理念は「みんなが幸せになること」ですが、この「みんな」とは、当グループの社員のみならず、関与先、従業員の方々、そしてそのご家族など、私どもに関わるすべての人を指しています。みんなが幸せになるためには、自分のことだけでなく、相手のことも考える。そして、相手が良くなることで、結果として自分たちも良くなるということを社員は常日頃から意識しています。

――自分よりも相手のことを考えるのは、意外と難しいものです。
 確かに、社員たちもお客様とのやり取りで悩んだり落ち込むこともあります。ただ、そうした時でも、自分のやるべきことや目指すべきところがハッキリしていれば、そこに向かって次の一歩を踏み出すことができるものです。そこで、社員たちの羅針盤として、会社の信条やあるべき姿などを示した「クレド」を作りました。私は、クレドの内容についてはほとんど口を出していません。

――なぜ、社員の方々だけでクレドを作らせたのでしょうか。
 私が中心となってトップダウンで作成しても、恐らく社員たちはクレドの内容に共感せず、絵に描いた餅になってしまうと思ったからです。実際にクレドを実践していくのは社員一人一人ですから、どのような会社を作っていきたいのか、社員自身に考えさせ、その想いをまとめることが大事だと考えました。現在、クレドのテーマをひとつずつ朝礼で取り上げ、それについて社員たちが自分の考えや悩みを発表していますが、その姿を見ていると、全員が共通の価値観の下、同じ方向に進んでいると実感します。

――クレドの内容をいくつか教えてもらえますか。
 例えば、「いつも『ありがとう』の心」というものがありますが、これは、お客様、仲間、取引先、家族、周囲すべてに対し、“周りの支えにより自分は生かされている”という感謝の気持ちを心に持ち続けることを意味します。また、「アドバイザーに留まらない」というのは、一社一社のお客様に心から関心を持ち、お客様の置かれている立場や状況を理解・共感し、最善の提案をするという意味が込められています。

――まずは相手のことを考えるという姿勢が伝わってきます。
 お客様の創業支援においても、会社を立ち上げることがメインではなく、どうすれば少しずつでも持続的に成長していくのか、経営者と一緒に考え、会社が組織として機能するところまで全力でサポートすることが、本当の創業支援だと考えています。そこで私どもは、会社を設立してから一般的に組織として機能していく売上規模を3億円と定義し、「3億円企業創出日本一」を目指して日々精進しています。

――会社を軌道に乗せるところまでが創業支援というわけですね。
 日本の中小企業は、本当に素晴らしい技術力や商品力、サービス力を持っていますが、ささいなことで廃業や倒産の選択を余儀なくされることもあります。しかし、やり方さえ間違えなければ、中小企業であっても大企業に負けない、もしくはそれ以上の「いい会社」を作り上げることができると信じています。しっかり利益を出せる「いい会社」をたくさん作ること、それが私どもの社会的使命だと捉えています。

――関与先の売上が伸びた場合、顧問料も値上げするのでしょうか。
 新設法人限定の料金プランを用意していますが、2期目以降は年間売上高や面談回数によって料金が変わってきます。年間売上高がアップすれば、料金表に応じた顧問料をいただいています。もし、こちらの作業量が増えても顧問料が変わらなければお客様は嬉しいかもしれませんが、社員は残業が増えるだけで幸せにはなれません。顧問料の設定については、契約する前に説明し、お客様と私どもの両方が納得してから顧問契約を結んでいます。もちろん、報酬に見合ったサービスを提供して、お客様に喜んでもらえるよう、社員たちのレベルアップにも力を入れています。

――どのようにレベルアップを図っていますか。
 若手社員による朝の勉強会や毎週水曜日の事例集による実践的な税務の勉強会を行うほか、外部の勉強会などにも積極的に参加させるなど、社員が知識や実務を身につけられる機会をできるだけ用意しています。クレドの中にも「NO Limit」という言葉がありますが、これは職業会計人として学び続け、知識だけでなく経験、見聞を広め、自分の価値を高めお客様の繁栄に貢献することを意味しています。

――税理士法人化して1年を迎えますが、今後のビジョンを聞かせて下さい。
 これからも毎日コツコツと努力を積み重ね、私どもが関わるすべての人たちが笑顔でいられるようなWin・Winの関係を大切にしていきたいですね。特に、私どもは税務会計を軸とした経営・財務のコンサルティングに力を入れていますが、今後IT化がさらに進めば、コンサルティングのニーズも一層高まってくると思います。社員全員でコンサル力に磨きをかけ、多くの中小企業に「みんなが幸せになる」サービスを提供していきたいと考えています。

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