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税務の勘所Vital Point of Tax

路線価 全国平均は5年連続で上昇 コロナの影響どうなる?

2020/07/07

 国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる令和2年分の路線価を発表した。

 全国平均は前年比1.6%上回り、上昇率は前年の1.3%よりも大きくなっており、5年連続の上昇となった。

 最高路線価が前年より上昇した都道府県所在都市は38都市。前年より5都市増加した。上昇率トップは那覇市の40.8%。次いで、大阪市35.0%、横浜市34.5%、奈良市21.2%、京都市18.1%となっている。横ばいは前年より5都市減って8都市、下落したのは水戸市だけでマイナス2.2%だった。

 全国で最も路線価が高かったのは、東京・銀座の鳩居堂前(東京都中央区銀座5丁目)で、1平方メートル当たり4592万円。昭和61年分以降、35年連続で全国トップとなっており、バブル期(平成4年)に記録した最高額3650万円を4年連続で更新している。

 都道府県別に平均路線価を見ると、前年より上昇したのは21都道府県で、上昇率は沖縄が最も高く10.5%。続いて、東京が5.0%、宮城と福岡が4.8%、北海道3.7%、京都3.1%。26件は下落したものの、そのうち19県は前年よりも下げ幅が小さくなっている。

 ただ、公表された路線価は今年1月1日時点のもので、新型コロナウイルスの影響は反映されていない。路線価は地価公示価格等を基にした価格(時価)の80%程度を目途に評価しているが、路線価が時価を上回った場合には、従来から、納税者が不動産鑑定士による鑑定評価額などに基づき個別に評価することを認めている。

 また、国税庁では、「国土交通省が発表する都道府県地価調査(7月1日時点の地価を例年9月頃に公開)の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の申告の便宜を図る方法を幅広く検討する」としている。

 土地を売却して相続税の納税資金を確保する資産家も多いが、地価の下落によって見込んでいた売却額を下回るようなことがあれば、新たな納税対策を検討する必要が出てくるだけに、今後の地価への影響が気になるところだ。

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