Vol.63 3月の練習ポイント(レース直前の調整)
2020/03/06
【3月のテーマ】
◎自信をもってレースに挑み自己ベスト更新を目指す
エリートのみの開催となった東京マラソンをはじめ、全国各地のマラソン大会がコロナウィルスの影響で中止になっている状況です。一刻も早く感染拡大が収束し、当たり前に走れる日常が戻ることを祈念しながら、3月のポイントについて配信いたします。
※大会の中止が続くなかで大会開催を前提とした記事となっておりますが、ご容赦いただければ幸いです。
<レース直前の過ごし方>
多くのレースはスタート時間が午前中ですので、調整に気を配るのは前日までになるでしょう。睡眠時間の確保や夜間の外出等は避け、規則的な生活を心がけてください。
最も気にするものが食事だと思いますが、炭水化物の割合を増やすこと(カーボローディング)を心がけ、かつ胃腸に負担のかかる揚げ物や刺身といった生ものは避けるようにします。和食中心の方はご飯の大盛や餅・うどんを食べる、洋食が好きな方はパンやパスタを食べる等、食べ慣れたものを選びましょう。
またレース当日にバタバタすることがないよう、ゼッケンやチップの装着、荷造りは極力前日までに済ませておきます。当日起きたら着替え、食事と歯磨きといったルーティンだけで家を出られるようにします。
トイレや荷物預けの時間を踏まえ、大会会場には1時間30分前、遅くとも1時間前には到着するようにします。トイレは近い場所ほど混み合うため、少し遠いところまでウォーミングアップを兼ねて走っていくとスムーズです。
スタートラインに整列すると、走り出すまでに寒さで体温が下がってしまうかもしれません。ポンチョを着て待機・スタートし、最初の給水等の身体が温まってきたタイミングで脱ぐことも有効です。
<細かなチェックポイント>
フルマラソンとなると様々なトラブルがつきものです。以下、細かい点ですが、準備しておきましょう。
〇爪を切る・・・伸びた爪は割れたり、内出血したりする(爪が死ぬ)原因になります。
〇寒さ対策・・・ウェアの重ね着に加え、手袋・アームウォーマー・帽子といった着脱が容易な小物を用意します。
〇ワセリンを塗る・・・股擦れや靴擦れ、血豆の予防に効果的です。またお腹や太ももに塗れば保温効果も期待できます。
〇補給食を用意する(試す)・・・ジェルや飴といったエネルギー源を用意します。ポケット付きのウェアやポーチも必要になりますので、事前に試して着用感(上下のブレなど)をチェックしましょう。
<レース展開をイメージする>
レースを迎えるにあたっては、コースマップや天気予報をもとにシミュレーションしておきましょう。天候や気温はもちろんですが、風の向きや強さがパフォーマンスに大きく影響します。風向きをコースマップと照らし合わせ、向かい風で耐える区間、追い風でスピードに乗る区間(オーバーペースには注意)とイメージしておきます。
また給水地点もチェックし、20kmでジェルの1つ目、30kmで2つ目、35kmで3つ目など、レース中の補給計画も立てておきましょう。
<レースの進め方>
万全の準備の上でスタートしても、レースの進め方次第で結果は大きく変わるものです。以下、距離ごとのポイントを簡単に整理します。
・スタート~10km
混雑で思うように集団が進まず、想定ペースで走りにくい区間です。スタートロスを取り戻そうとペースを速める人もいますが、スタート直後の速いペースは糖質を大きく消費し、後半の失速につながります。最初の5kmはウォーミングアップと考え、5~10kmで本来のペースへ戻し、ロスをゆっくり返していくイメージで走りましょう。
・10km~ハーフ
身体が温まってきて設定ペースよりも速くなりがちです。オーバーペースに注意しながら、集団の流れに乗り、後半につなげていきます。
・ハーフ~32km
身体が徐々にきつくなってきますが、「頑張る」には尚早です。同じリズムで「刻む」意識で走り、残り10kmで頑張れるよう体力・気力を温存しておきます。
・32km~ゴール
どんなランナーでもきついと感じるものです。周りのランナーやタイムを意識しすぎると、余計な力が入り、かえって体が動かなくなってしまいます。自分の走りに集中し、がむしゃらに頑張るより楽しむくらいの気持ちで走り切りましょう。