店内飲食・宅配・テイクアウト サービス内容で事業区分を確認
2016/10/12
Q.私はP社とフランチャイズ契約を結び、宅配をメインとするピザの販売業を営んでいます。経営管理のために、売上高の内訳を下記のように区分していますが、それぞれの売上高は簡易課税制度の適用上、第何種事業に区分することになりますか?
①ピザと飲料類の店内飲食による売上高
②ピザと飲料類のテイクアウト(持ち帰り販売)による売上高
③ピザと飲料類の宅配による売上高
A.
①第4種事業
②ピザの売上高と飲料類の売上高が区分されている場合には、ピザの売上高は第3種事業、飲料類の売上高は第1種事業または第2種事業(ピザの売上高と飲料類の売上高が区分されていない場合には全額が第3種事業)
③第4種事業
なお、上記①~③の売上高の内訳が区分されていない場合には、区分されていない売上高のうち、最低のみなし仕入率(第4種事業)を適用することになります(消令57④)。
〇店内飲食とテイクアウト
飲食サービス業は日本標準産業分類で大分類(M)に分類されていますので、第1種事業から第3種事業及び第5種事業のいずれにも該当しないものとして最終的に第4種事業に区分することになります。一方、ピザの持ち帰り販売の場合には、飲食店業ではなく、「製造小売業」に該当することとなるので、その売上高は第3種事業に区分することができます。
簡易課税の事業区分は個々の売上げごとに行いますので、調理した飲食物であっても、あらかじめテイクアウト( 持ち帰り)用として注文を受けたのであれば、その売上高は第3種事業に区分することができるのです。
〇仕入商品の取扱い
仕入商品である缶ジュースなどの飲料類をお客さんに提供する場合ですが、調理したピザと共に店内で提供する場合には、その飲料類も含め、売上高はすべて第4種事業に区分することになります。一方、仕入商品を店頭で持ち帰り販売する場合には、ピザの代金と仕入商品の代金を区分することにより、事業者への売上高は第1種事業、消費者への売上高は第2種事業に区分することができます。
ピザの売上高は、購入者が事業者か消費者かに関係なく、製造小売業として第3種事業に区分します。
〇宅配とテイクアウト
宅配サービスとテイクアウトとは本質的に異なるものです。宅配は、店内における飲食サービスの延長線上にあるものと考える必要がありますので、第3種事業に区分することはできません。
ただし、宅配専門のピザ屋さんのように、飲食設備を有しない事業者については、「宅配」による売上高は製造小売業として第3種事業に区分することが認められています(消基通13-2-8の2)。