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トラブルは現場で起きている!

宗教離れが加速する世界、高齢化が拍車をかける日本

2021/01/18

 ドイツは、ルターによる宗教改革が始まった国として、旧教徒(カトリック)と新教徒(プロテスタント)の対立が熾烈を極めました。16世紀のドイツ農民戦争やシュマルカルデン戦争は1~2年で終息しましたが、17世紀のドイツ30年戦争は、新教徒が旧教側のハプスブルク家によるカトリック信仰の強制に対して反抗したのをきっかけに起こり、30年間もの長きにわたって人々を苦しめる戦争状態が続いたのです。そうした社会的緊張の高まりの中で「魔女狩り」も盛んに行われ、10万人以上の大半が女性の犠牲者を出しました。その頃のドイツの人々がいかに宗教をよりどころにして、生きるか死ぬかの瀬戸際で日々のなりわいを営んでいたかが推測されます。

 しかし、そのドイツで今、深刻な宗教離れが加速しているというのです。ドイツのカトリック教会では、2018年に21万人を数えた脱会者が、2019年には27万人に達したといわれています。プロテスタントのドイツ福音協会でも、会員数が2018年から2019年にかけて44万人減少したことが報告されています。

 この傾向はドイツばかりではなく、世界的に宗教離れが起こっているといわれる中で、日本でも仏教系の信者離れが指摘されていますが、傾向が顕著なのは新宗教と呼ばれてきた生長の家、PL教団、立正佼成会、霊友会、天理教などの宗教法人です。

 なかでも、生長の家は平成2年に82万人と『宗教年鑑』に掲載されていた信者数が、平成26年には55万人に大きく減少して報告されているのです。PL教団、立正佼成会、霊友会、天理教などでも、信者は減り続けているようです。

 これには、世界的な宗教離れに加えて、日本特有の超高齢化が影響していることがうかがわれます。高齢の信者が退場した後に続く者がいないという状況は、いずれの宗教教団でもほとんど例外なく生じており、その数18万といわれる宗教法人にとってこの先厳しい現実が待ち受けていることは間違いなさそうです。

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