2022/01/26
第12回 家族信託支援専門職への重い不法行為責任 ~令和3年9月17日東京地裁判決~(下)
令和3年9月17日の東京地裁の判決について、(上)に引続き、原告の訴訟代理人となった遠藤家族信託法律事務所の遠藤英嗣弁護士に、事件の概要や家族民事信託の組成の在り方などについて解説してもらった。 判決の要訣・…
2022/01/25
第12回 家族信託支援専門職への重い不法行為責任 ~令和3年9月17日東京地裁判決~(上)
ご承知のように、東京地裁は平成30年9月、遺留分を無視した『受益者連続型信託契約』について「公序良俗に反して違法である」とする判決を下した。あれから3年経った令和3年9月、東京地裁で新たな判決が出された。今回は、依頼者…
2020/03/02
第11回 節税効果がある配偶者居住権制度 ~人生100年時代において利用は得かどうか~
■ いよいよ始まる配偶者居住権制度 民法1028条以下で定める配偶者居住権の規定が、令和2年4月1日より施行されます。配偶者居住権とは、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身または一定期…
2019/08/26
第10回 新しい『遺留分侵害額請求制度』は理解しがたい課税が生じる ―代償物給付は財産も取られ譲渡所得税も課せられる―
■ いささか薄情な通達 令和元年7月1日、次のような通達が出ました。 「(遺留分侵害額の請求に基づく金銭の支払に代えて行う資産の移転)33-1の6:民法第1046条第1項《遺留分侵害額の請求》の規定による遺留分侵…
2019/05/07
第9回 相続時融通のきかない家族信託(その1)~民事信託のデメリット:遺産分割ができない信託財産~
特異な家族信託の事例 平成最後の月、いささか難しい相談が持ち込まれました。 この相談事例は、平成30年10月、委託者複数の家族民事信託として設定した事案ですが、その委託者の一人である父親が死亡したというので…
2019/01/31
第8回 家族信託は代理人で契約の締結はできるのか!
代理人で作成された信託契約公正証書 最近、信託口座を扱っているある金融機関から「信託口座を開設してほしいと、代理人で作成された信託契約公正証書が持ち込まれましたが、大丈夫ですか。」との相談があった。 即座に「信託…
2018/12/12
第7回 信託契約の一部を公序良俗に反して無効であるとした判決~ 平成30年9月12日東京地裁判決~
1.家産承継と遺留分 末期がんにより数日の命と診断されたSさんが、委託者となり、家の跡継ぎを託した次男Tを受託者とし、信託の目的に「祭祀を承継する次男において、その子孫を中心として管理、運用することにより、末永く委託…
2018/11/09
第6回 父母に対する扶養義務を考えた信託受益権と課税問題 ~税法を知らない危うい事例~
リーガルチェックの依頼 最近、弁護士のJ氏から「金銭等の管理処分に関する信託契約書」のリーガルチェックを依頼された。添付の資料には、信託契約の関係者は、50歳代の委託者S氏と受益者がその両親、受託者がS氏の長男T氏で…
2018/10/09
第5回 認知症と類似の「高次脳機能障害」を知る
脳卒中で倒れた人などの後遺症として、「病気は治ったのだが、何かおかしい」「理解できない行動をする」という特異な精神上の障害がみられますが、これも知らなければならない大事な病気です。 この病気は、よく認知症に間違…
2018/09/07
第4回 認知症(成年後見)と「資産凍結」(その1)
最近、よく、「後見(成年後見)が開始されると、本人の財産は凍結される」という話を聞きます。 現に、平成30年8月23日付け日本経済新聞1面に、「認知症患者、資産200兆円に」「マネー凍結懸念 対策急務」という大…