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相続・事業承継Vital Point of Tax

相続税調査 『簡易な接触』の申告漏れ等の非違件数は5079件で過去最高

2024/12/20

 国税庁が公表した令和5事務年度における相続税の調査状況によると、実地調査の件数は8556件(令和4事務年度8196件)、このうち申告漏れなどの非違があった件数は7200件(同7036件)で、非違割合は84.2%(同85.8%)だった

 申告漏れ課税価格は2745億円(同2630億円)で、申告漏れ相続財産の金額の内訳は、「現金・預貯金等」825億円(同815億円)が最も多く、「土地」333億円(同336億円)、「有価証券」291億円(同309億円)と続いている。

 追徴税額(加算税96億円を含む)は735億円(同669億円)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は3208万円(同3209万円)となった。実地調査1件当たりの追徴税額は859万円(同816万円)。なお、重加算税の賦課件数は971件(同1043件)、賦課割合は13.5%(同14.8%)だった。

 国税庁では、相続税の実地調査のほか、簡易な接触(文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤りなどがある申告を是正するなどの接触)を実施している。令和5事務年度は1万8781件(同1万5004件)に簡易な接触を行い、このうち申告漏れなどの非違および回答などがあったのは5079件(同3685件)。申告漏れ課税価格は954億円(同686億円)、追徴税額(加算税6億円含む)は122億円(同87億円)となり、いずれも簡易な接触の事績を集計し始めた平成28事務年度以降で最高となった。

 令和5事務年度の調査に係る主な取組みとして、無申告事案を把握するために資料情報の収集・活用などの取組みを実施した結果、実地調査件数は690件(同705件)、申告漏れなどの非違件数は613件(同607件)、申告漏れ課税価格は752億円(同741億円)、追徴税額は123億円(同111億円)で、公表を始めた平成21事務年度以降で最高となった。実地調査1件当たりの追徴税額は1787万円(同1570万円)となっている。

 国税当局では、相続税の補完税である贈与税についても積極的に資料情報を収集し、財産移転の把握に努めており、令和5事務年度における実地調査件数は2847件(同2907件)。このうち申告漏れなどの非違件数は2630件(同2732件)、申告漏れ課税価格は264億円(同206億円)、追徴税額は108億円(同79億円)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は926万円(同708万円)、追徴税額は380万円(同270万円)だった。

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